講演情報
[120]仮住まい選好における価値観と条件制約下の選好に関する研究南海トラフ巨大地震が想定される愛知県東三河地域を対象として
○佐藤 凌真1、小野 悠1 (1. 豊橋技術科学大学)
キーワード:
応急仮設住宅、住宅選好、南海トラフ巨大地震、SP調査
本研究は,南海トラフ巨大地震の発生が想定される愛知県東三河地域を対象として,住民の仮住まい選好に潜む価値観の構造と,条件制約下における選好の傾向を明らかにし,両者の関係性を分析することを目的とした。その結果,第一に,仮住まいに対する価値観は災害時特有のニーズに加え,住宅環境や生活利便性など多面的な要素に基づいて形成されていることが明らかとなった。第二に,住民のライフステージやライフスタイルに応じて,価値観は明確に分化しており,個人・世帯属性を踏まえた柔軟で個別性に応じた支援のあり方の必要性が示唆された。第三に,すべての条件を満たすことが難しい状況下では,本来重視される要素の優先順位が後退し,仮住まい選好に潜む価値観が潜在化する傾向が明らかになった。
