講演情報
[121]東日本大震災の津波被災自治体における人口移動の要因に関する研究自治体間移動と拠点施設周辺の人口増減に着目して
○阿部 翔平1、秋山 結衣1、佐々木 唯1、田中 貴宏1 (1. 広島大学)
キーワード:
東日本大震災、津波被害、人口移動、拠点、事前復興
近年、我が国では南海トラフ地震と、それに伴う大津波の発生が懸念されている。大津波が発生した事例として、2011年に発生した東日本大震災が挙げられる。津波の発生は沿岸部に甚大な被害を及ぼすだけでなく、平常時と異なる人口移動を発生させた。本研究では、東日本大震災の被災自治体において、人口や施設が集積するまちの拠点への津波被害と自治体間人口移動の関係性、及び人口が増加したエリアの全体的な要因を明らかにした。その結果、まちの拠点が津波被害を受けた自治体では、震災時に人口流出が多い傾向が見られた。また、津波浸水エリアの外側にある拠点では、人口増加が見られた。以上より、拠点が津波浸水エリアの外側にあることで、震災時の人口流出が抑制されることで、適切な規模の復興事業につながる可能性が示唆された。
