講演情報
[122]土地利用規制・誘導を伴う流域治水プロジェクトの現状と課題に関する一考察吉野川水系流域治水プロジェクトを対象として
○櫻井 祥之1、西野 成河2 (1. 和歌山工業高等専門学校、2. 大阪ガスネットワーク)
キーワード:
流域治水プロジェクト、土地利用規制、特定都市河川
近年は防災と都市計画の連携による取り組みが進みつつあり, 特に土地利用規制・誘導を伴う流域治水プロジェクトの事業においても, 関係各所の連携や, 立地適正化計画等の都市計画との連携が欠かせない. しかしながら, 流域治水プロジェクトは比較的新しい取り組みであり, その連携の現状や事業推進に向けた課題については検証されていない. よって本研究では吉野川水系流域治水プロジェクトに着目し, 国土交通省等の関係各所へのヒアリング調査により, 連携状況や土地利用規制・誘導を伴う流域治水プロジェクトの事業推進の現状, およびその課題を明らかにすることを目的として実施した. その結果, 特に特定都市河川の指定など土地利用規制が伴う事業については, 各市町村の特性や立場の違いによって実施が難航するケースが想定されたり, 事業によっては国や県が主体とならなければ, 一市町村での実施が難しい事業もあったりすることが明らかとなった. このほか事業に対する住民からのネガティブな意見や, 合意形成に相当の時間を要する事業も明らかとなり, これらの課題を解決する方向に制度を改めていくことが今後必要である.
