講演情報

[133]都市条件に応じた複数公共交通モード併用によるネットワーク設計

○竹内 真雄1、鈴木 勉2 (1. 筑波大学大学院システム情報工学研究群、2. 筑波大学システム情報系)
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キーワード:

公共交通、ネットワークデザイン、マルチモーダル、人口分布、都市構造、最適化

本研究では,複数の公共交通モードを併用し,利用者コストと運行コストの総和を最小化するネットワーク設計問題を定式化し,仮想都市において求解を行う.ヒューリスティック解法の導入により,ノード数が200を超えるネットワークでも求解が可能である.第一に,複数の輸送モードを組み合わせることで,単一モードによる運行に比べ公共交通へのアクセシビリティの向上とコストの削減を達成できる.第二に,人口密度,都市規模,人口分布,OD分布といった都市特性はネットワークの形状やコストに影響を与え,都市のコンパクト化は高速交通軸の形成やCO2排出削減に寄与する.第三に,高速モードとの併用により,移動距離増加に伴うコストの上昇を抑制できる.以上より,都市条件に応じた複数モードの階層的な公共交通ネットワーク設計は,移動の質を向上させつつ,経済・環境・都市空間効率を改善する有力な政策手段である.