講演情報
[147]市区町村レベルにおける平均歩数の男女差と産業・就業構造-949市区町村の90万人のデータを用いて-
○山口 颯斗1、大草 裕樹1、小谷木 英資1、樋野 公宏1 (1. 東京大学大学院)
キーワード:
男女差、歩数、身体活動、産業構造、就業構造
本研究の目的は、日本全国の市町村別の産業・就業構造と1日平均の歩数の男女差との関連を調べることである。結果の頑健性を確保するため、クラスター分析、ランダムフォレスト、線形回帰の3種類の手法を用いて、多角的な分析を行った。クラスター分析の結果、第1次産業や第2次産業就業率が高い地域では歩数の男女差が大きく、第3次産業就業率が高い都市部では歩数の男女差が小さかった。また、ランダムフォレストおよび線形回帰の結果、物的環境等の違いを統制した上でも、男女の歩数差と第1次産業および第2次産業就業率との間に正の関連が認められた。特に、第2次産業就業率と平日における歩数の男女差との間には強い正の関連が確認された。これらの結果は、地域の産業・就業構造を考慮した歩行促進施策を講じることの重要性を示唆している。
