講演情報

[156]市街化調整区域における住民と移住起業者の地域連携プロセスの促進施策―兵庫県神戸市の「神戸・里山暮らし」に基づく農村定住起業計画制度を中心に―

○山本 翔太1、坂本 慧介1、山崎 嵩拓2、飯田 晶子1 (1. 東京大学大学院 工学系研究科 都市工学専攻、2. 東京大学総括プロジェクト機構)
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キーワード:

市街化調整区域、地域連携、移住起業、神戸市

本研究では、兵庫県神戸市の「神戸・里山暮らし」に基づく農村定住起業計画制度を事例として、市街化調整区域における地域住民と移住起業者の連携を自治体が促進するための手法について検証した。本制度は、地域の合意を前提として開発規制を緩和し、地域資源を活用した起業を後押しする。行政資料の分析と8名の移住起業者に対するインタビュー調査を通じ、制度による規制の枠組みと、移住コーディネーターや空き家バンクを含む支援施策が起業プロセスに与える影響を分析した。この結果、起業要件の設定という規制的施策と、人的なサポート体制の構築を組み合わせることにより、地域住民と移住起業者の連携が促進され、農村の持続的な活性化につながる可能性が示唆された。本研究は移住起業支援において、地域連携プロセスの促進に行政が関与することの重要性を示すものである。