講演情報
[159]地方都市周辺部における生鮮食料品店の(不)存在と周辺環境との関係分析鳥取県東部圏域を対象としてとして
○福山 敬1、吉野 和泰1 (1. 鳥取大学)
キーワード:
生鮮食料品店、不存在、地方都市、ロジスティック回帰モデル、予測
地方都市生活圏では,スーパーなどの生鮮食料品店の撤退により生活サービス水準の低下が危ぶまれている.本研究では,特に,撤退が地域に大きな影響を与えると考えられる中山間地域など都市周辺部を対象として,生鮮食料品店の撤退・存続の周辺環境との関係を分析した.鳥取県東部圏域を対象とした分析の結果,生鮮食料品店の立地環境は,周辺環境の違いにより市街地と周辺部に統計的にも分かれることが階層的クラスター分析により示された.次に,継続的に存在している鮮食料品店を対象に,店存続の周辺環境要因をロジスティック回帰分析より明らかにした.その際,被説明変数のデータとして必要な「存在しない店舗」の立地を広い対象エリアの中から抽出する方法として,2段階のランダム・サンプリングを行うことでモデルの過学習を抑えつつ説明力のあるモデルを得ることができた.結果として,半径2000m圏内の1店舗当たりの人口が多いこと,最寄り公共交通までの距離が近いこと,他市町村への通勤通学率が低いことが店舗存在に正の関係があることが明らかとなった.さらに,得られた結果は予測モデルとしても撤退リスクのある店舗の判定に用いることができることが示された.
