公開シンポジウム
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テーマ
「生態系ネットワーク形成を基軸とした地域づくりを目指して」
企画の狙い
生物(個体群)が絶滅せずに生き残るためには,個体の分散や移動,遺伝子の交流といった生態学的なプロセスが欠かせません.これらの営みが人間活動等により制約を受けると,生物個体群だけでなく種の絶滅の可能性も高まることから,生物にとって重要な生息域を保護することに加え,併せて,それらを広域的に連結する取り組みが必要となります.生物の生息域を有機的に繋げ,生息・生育上重要な生態学的なプロセスを維持する方策,それが「生態系ネットワーク」の形成です.
生態系ネットワークの形成は,さまざまな自然再生の中で取り組まれてきました.水田と排水路を繋げた「水田魚道」は,その代表的な一例といえるでしょう.そして今,国として生態系ネットワークの形成を後押しする動きが出てきています.令和6年5月,国土交通省が設置した「生物の生息・生育・繁殖の場としてもふさわしい河川整備及び流域全体としての生態系ネットワークのあり方検討会」から,今後の河川整備のあり方について提言がなされました.その中で,「生物の生活範囲は必ずしも河川内にとどまるものではなく,農地や農業用排水路など流域の生息・生育・繁殖の場との行き来など,相互に影響し合っている場合もあるため,流域全体で考えていく必用がある」とし,流域治水を進めていく中で,併せて生態系ネットワークを形成していくことの重要性が謳われています.さらに,国土交通省は流域の市町村,NPO,学校など多様な主体との繋がりを活かして,川の中を主とした「多自然川づくり」から,流域の「河川を基軸とした生態系ネットワーク形成」への視点を拡大し,流域の農地や緑地などにおける施策とも連携しながら,魅力ある地域づくりを推進する,生態系ネットワークの社会実装化を目指しています.その一方,生態系ネットワークという用語や考え方は必ずしも社会に浸透しているとはいえず,また,その取り組みに関わるさまざまな主体の間でもその意義が共有できていない可能性も否めないことから,生態系ネットワーク形成が目指す,生物の生息・生育上重要な生態学的プロセスの維持に将来的に貢献できない事態も発生しかねません.
応用生態工学会は,「人と生物の共存」,「生物多様性の保全」,「健全な生態系の持続」の3つの柱を達成目標として掲げる学術団体です.本会の全国大会が新潟の地で開催されるにあたり,生態系ネットワーク形成の意義と価値について今一度市民とともに共有し,そして,その取り組みを活かして,地域づくりにどのように活かしていくかについて,生態系ネットワーク形成に関わる行政担当者や有識者,そして先進的な自然再生を進めている小山市,出雲市,新潟市の3人の首長をお招きし,話題提供いただきます.公開シンポジウムからの学びを通して,応用生態工学が今後取り組む課題を見出すことを企画のねらいとします.
日時
2025年9月13日(土)14:00~17:00
会場
朱鷺メッセ4階 国際会議室 および zoomウェビナ
(朱鷺メッセへのアクセス : https://www.tokimesse.com/visitor/access/ )
プログラムと話題提供者
開会挨拶 新潟大学農学部教授 関島恒夫
新潟市長挨拶 中原八一
<第1部 生態系ネットワーク形成とは>
小島優 氏 (前 国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課長(現 国土交通省 大臣官房審議官))
『河川を基軸とした生態系ネットワークの形成』
中村太士 氏 (北海道大学名誉教授)
『生物生息場の連結性とネットワーク化がなぜ必要か?』
<第2部 生態系ネットワーク形成を基軸とした地域づくり>
浅野正富 氏 (小山市長)
『関東におけるコウノトリに選ばれる地域づくり ~コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラムの取組~』
飯塚俊之 氏 (出雲市長)
『トキも人も育つまちへ ~トキの放鳥・野生復帰に向けた取組~』
野島晶子 氏 (新潟副市長)
『ラムサール条約湿地都市認証と「国際湿地都市NIIGATA」の未来』
<第3部 パネルディスカッション>
テーマ
① 生態系ネットワークがもたらす多様な価値
② 生態系ネットワークを活かした魅力的な地域づくりと課題
<コーディネーター>
関島恒夫 氏 (新潟大学農学部教授)
<登壇者>
野島新潟市副市長、浅野小山市長、飯塚出雲市長、小島国土交通省大臣官房審議官、中村北海道大学名誉教授、関公益財団法人日本生態系協会専務理事、藤田新潟国際情報大学教授
閉会の挨拶 国土交通省北陸地方整備局河川部長 木村勲 氏
コーディネーター
関島 恒夫 氏 (新潟大学 農学部 農学科 教授)
参加費
無料(どなたでもご参加いただけます.)
参加申込み
会場参加とオンライン参加はいずれも,下記URL よりお申し込みください.会場参加は先着300名,オンライン参加は先着500 名で締め切ります.なお,会場参加の申込が事前に定員に達した場合は,会場での当日の参加申込をお断りさせて頂く場合があります.ご注意ください.
https://zoom.us/webinar/register/WN_djUoLQweStC7Akaq0u3-RA
CPD申込み
建設コンサルタンツ協会(JCCA)のCPD 登録証を発⾏します.会場参加の⽅は当⽇配布します. ご希望の⽅は上記のサイトで参加申込の際にチェックをお願いします.Zoom ウェビナー参加の⽅には視聴時間を確認の上,後日,ご登録頂いたメールアドレスにCPD発行用のURLをご送付します.
主催
応用生態工学会 第28回新潟大会 実行委員会
後援
国土交通省北陸地方整備局,農林水産省北陸農政局,環境省自然環境局,新潟県,新潟市,国立大学法人新潟大学,新潟日報社
問合せ先
お問い合わせは下記メールまで
niigata_28th@ecesj.com
講演要旨集
準備中
最終更新:2025年8月1日