第7回環境DNA学会つくば大会

企画集会


2024年12月2日 9時30分 〜 12時00分 多目的ホール
企画集会1:
環境DNAの最前線:未解決問題への挑戦


企画者:坂田 雅之(北海道大学・農学研究院)

 環境DNA分析は生物多様性の調査に広く用いられている。また、単なる種の検出にとどまらず、生物量の推定、遺伝的多様性の推定、繁殖行動の推定なども行われている。しかしながら、環境DNA分析にはまだ未解決の問題が基礎的な側面、応用的な側面ともに多く残されている。本企画ではそれら未解決問題に対するアプローチと最新の研究を紹介するとともに、本手法の課題・応用可能性、将来への展望について議論したい。

◎講演内容(予定)
  • 環境DNAによる交雑の検出
    *坂田雅之(北海道大学)、矢野七虹(神戸大学)、今村彰生(北海道教育大学)、山中裕樹(龍谷大学)、源利文(神戸大学)
  • 環境DNA分析へのエピジェネティクスの導入:可能性と課題
    *平山一槻(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)、呉盧漢(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)、源利文(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
  • 環境DNAメタバーコーディングにおける種の不完全な検出:その特性と対処法
    *深谷肇一(国立環境研究所)
  • 環境DNAメタバーコーディングライブラリー調整へのドロップレットPCRの適用とその利点
    *山中裕樹 (龍谷大学)、Megan R. Shaffer (University of Washington)、Olivia M. Scott (University of Washington)、Elizabeth Andruszkiewicz Allan (University of Washington)、源利文 (神戸大学)、Ryan P. Kelly (University of Washington)

 



2024年12月3日 9時30分 〜 12時00分 多目的ホール
企画集会2:
環境DNAに基づく回遊魚研究最前線


企画者:八柳 哲(京大・フィールド研)、荒木 仁志(北大・農学研究院)

 回遊魚の多くは水産有用種であるばかりでなく、生態系間の移動を通して栄養循環や生物多様性維持にも重要な役割を担っている。回遊と一口に言ってもそのパターンは実に多様であり、回遊様式の全容や保全の在り方に関する理解が進んでいない種が数多く存在する。従来方法では生息環境を柔軟に変化させる回遊魚をその生涯を通じて追跡するのは困難であったが、環境DNA手法の登場以来、その特性を活かした数多くの回遊魚研究が報告されてきた。一方で回遊魚の複雑な生活史を通じた生態解明には、未だ多くの課題も存在する。本企画では様々な回遊魚を対象とした最新の研究事例を紹介するとともに、本手法の有用性と課題、今後の展望について議論する。

◎講演内容(予定)
  • 環境DNAに基づく回遊魚研究のこれまで:レビュー・趣旨説明
     八柳哲(京大・フィールド研)
  • ホンモロコ(Gnathopogon caerulescens)の産卵回帰性を利用した生息地の健全性評価
     内井喜美子(大阪大谷大・薬学部)
  • 河川勾配が通し回遊魚の種構成に及ぼす影響:環境DNAと採集による調査の結果比較
     熊井勇介(東大・農学生命科学研究科)
  • 環境DNAで推定されるスズキ Lateolabrax japonicusの沿岸と河川内分布の季節変化
     村上弘章(東北大・農学研究科)
  • 環境DNAに基づく回遊魚研究のこれから:課題と展望
     荒木仁志(北大・農学研究院)