講演情報

[G-P-31]宮古島周辺海域の海底地質 –宮古島周辺海底地質図–

*三澤 文慶1、井上 卓彦1、荒井 晃作2 (1. 産業技術総合研究所、2. 東海大学)
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キーワード:

琉球弧、宮古島、沖縄トラフ、海底地質図、地質構造発達史

 産業技術総合研究所地質調査総合センター(産総研GSJ)では日本周辺海域の海洋地質調査を行い、地質構造とその年代、表層の堆積物などの地質情報を取りまとめた海洋地質図の整備を進めている。2026年3月に南西諸島に位置する宮古島周辺海域での海洋地質・地球物理調査の成果を基に、20万分の1海洋地質図シリーズ「宮古島周辺海底地質図」(以下、「本図幅」)を刊行した[1]。本海域では1977年の「琉球島弧周辺広域海底地質図」以降、詳細な海底地質図は整備されていなかった。本発表では、今回明らかになった本海域の詳細な音響層序や断層分布などについて紹介する。

本図幅は、宮古島などの島嶼部を中心に、北は沖縄トラフの南縁部、南は琉球海溝側斜面域を対象とした。本海域が属する琉球弧は、宮古島や多良間島など陸上の面積が少なく、その大部分が海面下にある特徴がある。本図幅では反射法地震探査の結果に基づき、中新統八重山層群に相当する音響基盤と、その上位に下位から池間沖層群、来間沖層群、下地沖層群、水納沖層群の4層の堆積層を区分した。本海域では後期中新世以降、大陸起源の陸源性砕屑物の堆積が始まり、陸上の鮮新統島尻層群に相当する池間沖層群が背弧側の沖縄トラフから前弧側斜面にかけて広く堆積した。その後、一時的な陸化と侵食を経て、後期鮮新世~前期更新世に再び海進が生じ、陸上の後期鮮新統~前期更新統島尻層群[2]に相当する来間沖層群が主に前弧側斜面に堆積した。来間沖層群は宮古島南方沖から南東沖にかけて厚く分布する。これは、本図幅南方に外縁隆起体が形成され、それに伴って前弧海盆が発達した結果と考えられる。また、来間沖層群の内部には前弧側斜面で部分的にスランプ堆積物が認められ、海底地すべりに起因すると考えられる。来間沖層群の形成後には、陸上の島尻変動に相当する大規模な隆起運動が発生するとともに、背弧側では沖縄トラフの形成が進行した。宮古島北側の沖縄トラフ斜面域には東西もしくは東北東-西南西走向に延びる北落ちの正断層が発達し、これらは沖縄トラフのリフティングに伴う引張応力によって形成された。

更新世以降は浅海化により形成されたサンゴ礁などを含む沖合相の炭酸塩堆積物である下地沖層群が島嶼部及び前弧側斜面に堆積した。これは、陸上の更新統~完新統琉球層群[2]に相当する。また、同時期に沖縄トラフではトラフ充填堆積物である水納沖層群が堆積した。多良間島と宮古島の間では、背弧拡大に伴って島弧内部に生じた伸張応力によって形成された西落ちの正断層が分布し、海底面まで達していることから活断層である可能性が高い。

<引用文献>
1: 三澤ほか,(2026)「宮古島周辺海底地質図」,産総研地質調査総合センター.
2: 円谷・佐藤 (1985). 基礎試錐 「宮古島沖」. 石油技術協会誌, 50, 25-33.

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