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[T4-O-10]長い変成作用か、それとも複変成か?衝突帯高温変成岩の昇温変成作用のPetrochronology解析

*河上 哲生1、伊藤 健吾2、仁木 創太3、鈴木 将晏1、坂田 周平4、東野 文子1、足立 達朗5、宇野 正起4、平田 岳史4 (1. 京都大学、2. 大阪大学、3. 名古屋大学、4. 東京大学、5. 九州大学)
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キーワード:

ペトロクロノロジー、ルチル、複変成作用、ゴンドワナ、南極

 東南極セール・ロンダーネ山地はゴンドワナ大陸形成時の衝突帯下部地殻が露出していると考えられている地域であり、これまでのPetrochronological な研究により、約1億年程度の間に複数回のザクロ石を形成する変成段階の存在が指摘されている(Higashino et al., 2023)。これが1回の長い変成作用のなかの異なるザクロ石の成長段階に相当するのか、それともEast African OrogenyとKuunga Orogeny の2回のテクトニックイベントに対応する異なる変成作用による副変成作用を表すのかが未解決の問題として残っている。本研究ではこの問題に制約を与えることを目的とし、同山地中央部の試料から、プログレード変成期の履歴をPetrochronology の手法を用いて読み取る試みを行った。 
 本研究試料は、東南極セール・ロンダーネ山地のメーニパ地域から得られた珪線石-黒雲母-ザクロ石片麻岩である(Kawakami et al., 2026)。ザクロ石の多くはそのコア部分にAn値が高い斜長石(An32–51)を包有しており、包有される斜長石のAn値はザクロ石の外側に行くに従い低くなる。マトリクスではAn28–30である。ザクロ石のリムには藍晶石と珪線石が包有され、その少し内側に十字石(XMg=0.44)が包有される場合がある。ザクロ石に包有される斜長石がルチルを包有したり、ルチルとともに多相包有物を形成したりすることが、本試料のもつ温度圧力推定上の特長である。Kawakami et al. (2026)は、このようなルチルと斜長石のペアに注目し、ルチルにZr-in-Rt温度計(Tomkins et al., 2007)を適用して得た温度推定結果と、シュードセクションモデリングによるAn値のアイソプレスとを用いて、各ルチル-斜長石ペアが示すP-T条件を決定した。これらのうち同圧力で最も高い温度を示す点を結ぶと昇温昇圧トレンドを示す。また、マトリクスのルチル-斜長石ペアが最も高いP-T条件を示すことから、ザクロ石のコアからリム、マトリクスにかけて、昇温変成期の昇圧過程が保存されていると考え、結果としてヘアピン型のP-Tパスが推定された(Kawakami et al., 2026)。このP-Tパスに年代軸を加えることが、本研究の目的には不可欠である。ザクロ石のリムには、ジルコンが包有されており、その変成リムは約570 MaのU–Pb年代を示した。この変成ジルコンリムとザクロ石のリムのYbとGdの元素分配は非平衡を示すことから、ザクロ石リムの形成は約570 Ma以降であると制約できる。本研究試料のジルコンからは約605 Maの変成ジルコン年代が得られるため、これが昇温変成年代に対応する可能性があるが、ザクロ石コアには非常に細粒なジルコンしか包有されておらず、数 µmに絞ったレーザー径のU–Pbジルコン年代測定を用いたとしても、薄くしか発達していないリムの年代を本研究の目的に必要な時間解像度で得ることは難しい。そこで、本研究ではザクロ石コアに包有されるルチルのin situ U–Pb年代測定(Ito et al., 2024)を試みたので報告する。

引用文献
Higashino et al., 2023, Gondwana Research, 119, 204-226.
Ito et al., 2024, JpGU meeting 2024 abstract, SCG51-01.
Kawakami et al., 2026, JpGU-AGU joint meeting 2026 abstract, SMP30-01.
Tomkins et al., 2007, JMG, 25, 703–713.

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