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[T12-P-19]新潟堆積盆地における原油とグリーンタフ貯留層コンデンセートの地球化学的対比:予察的検討

*森田 宜史1 (1. 株式会社INPEX)
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キーワード:

新潟堆積盆地、ダイアモンドイト、コンデンセート、石油システム

 新潟堆積盆地は、日本海拡大期に形成されたリフト盆地であり、中新世以降の厚い砕屑岩類および火山岩類が堆積している。特に、中期中新世に堆積したグリーンタフとその上位層準の砕屑岩は、石油・ガスの主要な貯留層を構成する。また、七谷層や寺泊層の泥質岩は、主要な石油根源岩として知られている。
既往研究では、新潟堆積盆地の原油はバイオマーカー組成などに基づき新津型および頸城型に区分され、起源有機物や堆積環境の違いを反映する枠組みとして用いられている(平井ほか、1995;早稲田・西田、2018、など)。一方、高熟成を被ったコンデンセートでは、ホパン類やステラン類などのバイオマーカーが減少または消失し、従来の油・コンデンセートと根源岩との対比が困難となる場合がある。
本研究では、南長岡ガス田および周辺地域におけるグリーンタフ上位の砕屑岩貯留層(浅層)ならびにグリーンタフ貯留層から採取された原油・コンデンセート試料を対象に、バイオマーカーおよびダイアモンドイド分析を実施し、起源および熟成度の特徴を予察的に整理した。対象試料には、浅層から回収された原油と、グリーンタフ貯留層から回収されたコンデンセートが含まれ、両者の地球化学的特性を比較できるようにした。
分析の結果、新津および南長岡の浅層原油は、既往研究で示された新津型・頸城型の区分と概ね整合的な特徴を示した。すなわち、これらの原油については、従来のバイオマーカーに基づく原油分類が有効である可能性が示された。一方、南長岡グリーンタフ貯留層のコンデンセートは、従来のバイオマーカーによる評価が制約された。さらに、ダイアモンドイド指標に基づく評価では、同コンデンセートにおいて高熟成またはクラッキングの進行を示唆する特徴が認められた。
これらの結果は、南長岡ガス田における浅層原油とグリーンタフ貯留層コンデンセートの違いが、熟成度の差だけでなく、移動・集積履歴や貯留層内または移動後の熱的変質を反映している可能性を示唆する。ただし、現時点では具体的な生成場や有効根源岩を特定するには至っておらず、根源岩試料との比較、追加試料の分析、高熟成領域でも有効な指標の検討、および堆積盆地シミュレーションとの統合が今後の課題である。
本発表では、浅層の原油とグリーンタフ貯留層のコンデンセートの地球化学的特徴に着目し、既往の新津型・頸城型原油分類を踏まえつつ、新潟堆積盆地における石油流体の多様性ならびに石油システム再検討に向けた論点を予察的に整理する。

文献:平井ほか、1995、石技誌、60(1)、87–97;早稲田・西田、2018、石技誌、83(2)、169–180.

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