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[T6-P-1]日本海溝浅部プレート境界断層におけるスメクタイト含有量と主すべり帯の局在化

*福地 里菜1、亀田 純2、氏家 恒太郎3、三田 翔太3、趙 陽4、池原 実5、山口 飛鳥4 (1. 鳴門教育大学、2. 岡山大学惑星物質研究所、3. 筑波大学、4. 東京大学大気海洋研究所、5. 高知大学)
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キーワード:

日本海溝、国際深海科学掘削計画、IODP Expedition 405、スメクタイト

 2011年東北地方太平洋沖地震では、日本海溝沿いのプレート境界断層浅部において大規模なすべりが生じた。この浅部巨大すべりの発生要因として、プレート境界断層を構成するスメクタイトに富む遠洋性粘土の摩擦が低かったことが指摘されている(Kameda et al., 2015; Ujiie et al., 2013)。したがって、沈み込む太平洋プレート上のスメクタイトに富んだ遠洋性粘土の空間分布を明らかにすることは、日本海溝に沿った浅部プレート境界断層における地震時のすべり挙動を理解するうえで重要である。一方、日本海溝に沈み込む堆積物には、スメクタイトなどの粘土鉱物に加えて珪藻や火山ガラス由来の非晶質成分も含まれる。しかし、沈み込み堆積物に占める非晶質物質の割合は十分に分かっていない。そこで本研究では、国際深海科学掘削計画第405次航海で得られた日本海溝に沈み込む前(C0026地点)および前縁プリズム(C0019地点)の堆積物を対象に、X線回折分析により粘土鉱物および非晶質成分を定量し、浅部プレート境界断層と鉱物組成の対応関係を検討した。まず、両地点ともに断層帯以外の深度では、非晶質シリカの含有量は40 wt.%を超える高い値を示した。その一方で、プレート境界断層では粘土鉱物の含有量が48–85 wt.%と高く、非晶質シリカの含有量は相対的に低い。これはKameda et al.(2015)で報告された傾向と整合的である。前縁プリズムを貫通したC0019J孔では、C0019K孔や2012年のJFASTプロジェクトで掘削されたC0019E孔と比較して、プレート境界断層におけるスメクタイトの含有量が48 wt.%と低い。C0019K孔におけるスメクタイト含有量は56–85 wt.%で、Kameda et al.(2015)で報告された約80 wt.%を超える極めて高いスメクタイト含有量は、846.51 mbsfおよび846.70 mbsfの限られた深度でのみ認められた。沈み込み前の堆積物をチャートに至るまで採取したC0026B孔では、スメクタイト含有量は最大で約60 wt.%に達した。この値はC0019K孔よりは低いもののC0019J孔よりは高かった。プレート境界断層帯の厚さは、C0019J孔では1 m未満であるのに対し、C0019K孔では下位の鱗片状構造が発達した粘土を含めると約25 mに達する。厚さ10 mmの暗色断層ガウジからなる主すべり帯は、C0019J孔、C0019K孔いずれも断層帯最上部付近に認められた。また、鱗片状構造を示すスメクタイトに富むプレート境界断層帯では、磁気ファブリックにおける面構造の発達度が弱かった。これは、スメクタイトの膨潤性および保水性の影響により圧密が抑制されていることを反映していると考えられる。プレート境界断層帯の厚さが1 m未満から25 mまで変化するにもかかわらず、剪断変形が粘土層に集中している。このことは、mスケールではプレート境界断層がスメクタイト含有量(少なくとも48 wt.%以上)に規制されて形成・発達したことを示唆する。一方、2011年のような大規模な地震時には、mスケールの変形帯の中でも岩相境界などの物性的不均質に応じた相対的に弱い領域に変形が集中し、mmスケールの主すべり帯が形成されたと考えられる。

Kameda et al. "Pelagic smectite as an important factor in tsunamigenic slip along the Japan Trench." Geology 43.2 (2015): 155-158.
Ujiie et al. "Low coseismic shear stress on the Tohoku-Oki megathrust determined from laboratory experiments." Science 342.6163 (2013): 1211-1214.

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