講演情報
[T6-P-4]再解析によって得られた反射断面から見る日本海溝沈み込み帯前縁プリズムの発達過程
*中村 恭之1、白石 和也1、藤江 剛1、宮川 歩夢2、小平 秀一1 (1. 海洋研究開発機構、2. 産総研)
キーワード:
日本海溝、前縁プリズム、反射断面
日本海溝は浸食型の沈み込み帯として理解されてきたが、IODP Expedition 343 (JFAST) Site C0019 で得られた地質試料からは、同地点の前縁プリズムが若い太平洋プレート上の堆積物の付加によって形成された付加体であることが示されている(たとえばRegalla et al. 2019)。また、IODP Expedition 405 (JTRACK) による C0019 の再掘削では、前縁プリズムからプレート境界断層帯、さらに沈み込む下盤側堆積物・基盤岩に至るほぼ連続的な層序・構造情報が得られ、前縁プリズム内の主要断層、年代逆転、ならびに mass-transport deposits を含む複雑な堆積・変形構造が報告されている(Regalla et al. 2025)。一方、日本海溝では地下構造調査による構造イメージングがこれまでも精力的になされてきた(たとえばTsuru et al. 2000, Nakamura et al. 2014, Kodaira et al. 2017)が、前縁プリズムの内部構造を明瞭に解釈できる結果は得られておらず、前縁プリズム全体がどのように発達してきたかは明らかになっていない。本研究では、これまで不明瞭だったプリズム内の構造を明らかにするために、2013年に調査船「かいれい」で取得された反射法探査データを対象に、広帯域化などを含んだ近年の標準的な処理手順による再解析、およびMulti-dip reflection surface (MDRS)法を適用することでイメージング品質の向上を試みた。
再解析の結果、過去に得られていた断面に比してS/N比が向上し、プリズム内に陸側傾斜の反射面が認識できるようになった。主に、高周波成分のノイズが相対的に軽減されためと考えられる。さらに、MDRS法を適用した断面では、傾斜する反射面の連続性が大きく向上し、バックストップ境界付近から海溝軸付近にわたってプリズム内の全域で複数の陸側傾斜反射面がより明瞭に見られた。C0019周辺では掘削によって報告された断層深度付近に陸側傾斜の反射面がイメージされている。この結果は、宮城沖日本海溝の前縁プリズムは、主に逆断層によって形成されたことを、反射断面から初めて明瞭に支持する結果である。
謝辞:株式会社地球科学総合研究所の方々にはMDRS法の適用を含めた反射法データの再解析を実施いただいた。記して謝意を表する。
参考文献
Regalla et al. (2019) G3, Regalla et al. (2025) Proceedings of the International Ocean Discovery Program, Tsuru et al. (2000) JGR, Nakamura et al. (2014) EPS, Kodaira et al. (2017) Geosphere
再解析の結果、過去に得られていた断面に比してS/N比が向上し、プリズム内に陸側傾斜の反射面が認識できるようになった。主に、高周波成分のノイズが相対的に軽減されためと考えられる。さらに、MDRS法を適用した断面では、傾斜する反射面の連続性が大きく向上し、バックストップ境界付近から海溝軸付近にわたってプリズム内の全域で複数の陸側傾斜反射面がより明瞭に見られた。C0019周辺では掘削によって報告された断層深度付近に陸側傾斜の反射面がイメージされている。この結果は、宮城沖日本海溝の前縁プリズムは、主に逆断層によって形成されたことを、反射断面から初めて明瞭に支持する結果である。
謝辞:株式会社地球科学総合研究所の方々にはMDRS法の適用を含めた反射法データの再解析を実施いただいた。記して謝意を表する。
参考文献
Regalla et al. (2019) G3, Regalla et al. (2025) Proceedings of the International Ocean Discovery Program, Tsuru et al. (2000) JGR, Nakamura et al. (2014) EPS, Kodaira et al. (2017) Geosphere
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