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[T7-P-25]山口県中南部徳山湾周辺に分布する火山深成複合岩体の地質構造

*大河内 砂恵1、江島 圭祐1、大和田 正明1、植田 勇人2 (1. 山口大学、2. 新潟大学)
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キーワード:

火山深成複合岩体、カルデラ、西中国白亜紀カルデラ群、太華山地域

【はじめに】西南日本内帯には,白亜紀-古第三紀火山深成活動に伴う,珪長質火山岩類と関連深成岩類が広く分布する.この火成活動の産物として当該地域には,活動ステージごとに複数の火山深成複合岩体が確認されており,その多くはカルデラ構造を有する(今岡ほか,2019).西中国地域では主に内陸部から日本海に面した地域にかけて多くのカルデラやグラーベンが形成されており(武田・今岡,1999;岸ほか,2007など),それらをまとめた「西中国白亜紀カルデラ群(Late Cretaceous caldera cluster in the western Chugoku District, southwest Japan)」が提案されている(今岡ほか,2019).山口県中南部の徳山湾周辺では,湾に面した太華山地域に珪長質火山岩類,湾内島嶼部には花崗岩類がそれぞれ分布することが報告されている(村上・今岡,1986;岡村,1964).しかし,両者の関係について詳細な検討が行われていない.本研究では噴出岩類と貫入岩類を伴う徳山湾周辺地域を火山深成複合岩体と捉え,各岩相の野外産状,記載岩石学的特徴および岩石学的特徴を明らかにするとともに研究地域の地質構造を議論する.
【地質概説】徳山湾は,東から時計回りに大島半島(太華山地域),粭島および大津島に囲まれ,湾の中央部に黒髪島と仙島が位置する.本地域は周防変成岩類および領家変成岩類を基盤とし(Lu and Owada,2025),噴出岩類と貫入岩類を伴う(村上・今岡,1986).噴出岩類の分布は太華山地域に限られ,粭島および大津島には基盤岩である結晶片岩とそれを貫く花崗岩が分布し,黒髪島および仙島には花崗岩が露出する.
【徳山湾周辺地域の地質】太華山地域の地質は主に泥質片岩からなる基盤岩,それを覆う噴出岩類および噴出岩類をシル状に貫く花崗岩で構成される.噴出岩類は下位が安山岩質溶岩,安山岩質凝灰岩および安山岩質火山礫凝灰岩,上位がデイサイト質凝灰岩およびデイサイト質火山礫凝灰岩であり,安山岩質噴出岩とデイサイト質噴出岩の境界付近には堆積岩が点在する.また,噴出岩類と基盤岩との境界部付近1地点において泥質片岩と噴出岩の礫を含む礫岩が確認される.安山岩岩脈は,基盤岩と噴出岩類の境界に平行に貫入する.湾内島嶼部では,大津島,仙島および黒髪島に分布する花崗岩を貫くアプライト脈および安山岩岩脈が確認される.また,花崗岩中には基盤岩起源と推察される泥質片岩ゼノリスおよび苦鉄質火成包有岩(Mafic Magmatic Enclave:MME)が含まれる.各地域の花崗岩は主な構成鉱物が同一であるが,鉱物量比や粒度が異なる.
【議論】徳山湾周辺地域の岩相は,湾を囲うように基盤岩が分布し,湾内の東側で噴出岩類が基盤岩を覆い,それらを貫く深成岩類が湾内の西側に分布する.噴出岩中には堆積岩層が部分的に挟在する.また,基盤岩中の安山岩岩脈は湾の円形に沿うようにアーチ状に分布している.このような特徴から,本研究地域がカルデラ構造を有している可能性が考えられる.上述した噴出岩中に挟在する堆積岩層はカルデラ湖で形成されたもの,基盤岩中の安山岩岩脈は環状の割れ目に沿って貫入した環状岩脈と捉えることができる.本発表ではより詳細な岩石学的特徴の記載や,太華山地域に分布するデイサイト質火砕岩および島嶼部3地点の花崗岩にて実施したジルコンU-Pb年代の結果を踏まえ,議論する予定である.
【引用文献】今岡ほか(2019)地質学雑誌,125,529–553.武田・今岡(1999) 地質学論集,53,199–219.岸ほか(2007)地質学雑誌,113,479–491.村上・今岡(1986)山口大学教養部紀要,村上允英教授記念号,67.岡村(1964)広島大学地学研究報告,14,307–316.Lu and Owada(2025)Island Arc, 34, https://doi.org/10.1111/iar.70024.

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