講演情報

[J-P-12]皿状構造の形成条件について

*東京学芸大学 附属高等学校1 (1. 東京学芸大学附属高等学校)
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研究者氏名:稲嶺美海 水上友香梨 鎌田理央 田村梨緒

皿状構造とは、地層がおわんや皿のように中央へ向かって傾斜する堆積構造である。辻・宮田(1987)は、地層中の水分が上昇して水洞が形成され、その後、水洞が脱水・崩落することで皿状構造が形成されることを示した。本校では、馬上・和田(2021)らの実験により、水洞の形成には不透水層または難透水層と呼ばれる粒径の細かい砂層が不可欠であることが明らかとなった。また、鎌田・佐藤(2023)は、皿状構造の形成には地層が半固結状態であることが重要であることを示した。これらの研究を踏まえ、相川(2025)は実際の堆積環境に近づけた水槽型実験装置を用い、固結時間と水圧の条件を整理し、皿状構造が形成される範囲を定量的に示した。

しかし、相川(2025)の研究では試行回数が少なく、皿状構造が形成されるまでの水洞や砂の挙動を十分に観察できていなかった。そのため、皿状構造が形成されるメカニズムには未解明な点が残されている。

そこで本研究では、従来より奥行きを持たせた新たな水槽型実験装置を用い、実際の堆積環境により近い条件で実験を行った。まず、新装置において皿状構造が形成された固結時間と水圧を分布図として整理し、皿状構造が形成される条件範囲を定量化した。さらに、各実験で発生した水洞の形成、移動、拡大、崩落の様子を動画で記録するとともに、それに伴う砂の移動や変形を解析し、皿状構造が形成されるまでの過程を詳細に観察した。また、水洞の大きさと形成された皿状構造の大きさを比較することで、両者の関係を明らかにし、水洞の発達が皿状構造の規模に及ぼす影響について検討した。これらの結果から、水洞の挙動と砂の移動との関係を踏まえ、皿状構造形成のメカニズムを明らかにすることを目指した。

また、本研究で使用した新装置は、相川(2025)の実験装置よりも奥行きが大きい。このため、相川(2025)の結果と本研究で得られた分布図や水洞の挙動を比較し、装置の奥行きが皿状構造の形成条件に及ぼす影響について検討した。現時点では、新装置では水洞を形成するためにより高い水圧が必要となる傾向がみられた。この要因として、新装置では水槽の底面積が大きく、水が地層全体に行き渡るまでに必要な水量が増加したこと、さらに旧装置と地層の高さをそろえるために砂の量を増やしたことで、水が地表へ到達するまでにより大きな圧力が必要になった可能性が考えられる。

キーワード:皿状構造 不透水層

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