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[J-P-17]地震データ解析に基づく警固断層帯のねじれに対する一考察

*福岡県立 筑紫丘高等学校 地学部1 (1. 福岡県立筑紫丘高等学校 地学部)
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研究者氏名:羽田野 凜

1. 目的
2005年、九州北部において、警固断層を震源とするが西方沖地震が発生し、多くの被害をもたらした。その際、警固断層の北西部は大きく揺れたのに対し、南東部の揺れは小さかった。このことから、警固断層と呼ばれているものの、一つの断層ではなく、北西部と南東部間にねじれが生じていると言われている[1]。本研究では、北西部と南東部の地震活動を比較することで、ねじれの存在を検証した結果について報告する。

2. 方法
警固断層近傍の地震データを収集し、北西部と南東部の深度分布、地震発生頻度の変化を比較することで、ねじれの有無を考察した。地震データの抽出やグラフ化などの処理には、Pythonプログラムを作成して、実行した。具体的な方法を以下に示す。
1) 気象庁 公開データベースより、1996年~2023年の地震データを収集した[2]。
2) 収集したデータより断層から5km以内のデータを抽出した。
3) 収集したデータを北西部と南東部のグループに分割した。
(北西部:17529件、南東部:2483件)
4) 各部のデータを時間、位置、マグニチュード(M)、深さでグラフ化した。
5) 各部の結果における共通点と相違点から仮説を検証した。

3. 結果
北西部と南東部のデータを比較すると、震源となった回数は北西部の方が南東部と比べて多い。次に、北西部と南東部で発生した震源の深さとマグニチュードと深さの分布をグラフ化した結果から、北西部は、震源地が深く、マグニチュードが大きいのに対して、南東部は震源地が浅く、マグニチュードが小さい。北西部と南東部それぞれにおいて、断層方向に沿った方向における震源深さ分布を見ると、北西部は5-15kmに満遍なく分布しているが、南東部は大きく分布が二層に分かれていた。分布は博多湾から距離10kmの位置で分かれており、博多湾側は震源深さが5-10kmに密集しており、北西部と同様な活発なセグメント(活動区間)であった。これに対して、もう一方の内陸側(博多湾から距離10-30km)では、震源深さは10-15kmと博多湾側よりも深い位置に分散していた。
以後、これら二つ分布の博多湾側を南東部①、内陸側を南東部②と呼ぶ。最後に、北西部と南東部①、南東部②における震源深さ分布を全期間と直近10年で深さ分布と発生頻度を比較した。北西部の深さ分布にはあまり変化が見られず、直近では、発生頻度が減少している。一方、南東部①の震源地は全体的に深部へ移動し、発生頻度が減少しているのに対して、南東部②は震源地の深さ分布に変化は見られないが、発生頻度が増加傾向にある。

4. 考察
以上の結果から、北西部および南東部①(海側から内陸10kmまで)と南東部②(①より陸側)で深さ分布、発生頻度に違いが見られ、北西部および南東部①の直近の活動は、西方沖地震の余震活動と思われるが、南東部②は、深部(12~16km)において近年も活発な地震活動を継続している。つまり、南東部の博多湾から10km周辺においてはセグメント構造(=ねじれ)があると思われる。全期間と直近10年の比較から、応力の集中領域が、南東部へ移動している可能性がある。

5. まとめと今後の方針
警固断層の北西部と南東部の地震活動データを解析することで、北西部と南東部は一つの断層として同じ動きをしていないといことがわかった。また、北西部は沈静傾向だが、南東部は活発傾向にある。
今後は、北西部は、震源地が深く、マグニチュードが大きいのに対して、南東部は震源地が浅く、マグニチュードが小さい点に注目し、地形、地質的な特徴の相違点があるのかを調査していく。

参考資料
[1]RKBニュース 日本一危ない “ねじれた断層”が九州にあった 政府は地震発生確率「Sランク」に 2022/09/03
[2] 気象庁 地震月報 震源データhttps://www.data.jma.go.jp/eqev/data/bulletin/hypo.html

キーワード:警固断層、ねじれ構造、地震分布

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