講演情報

[T4-P-15]変成かんらん石と黒色ドメイン組織ー鷹泊超苦鉄質岩体における産状と意義

*加藤 孝幸1、五十嵐 敏彦2、新井田 清信3 (1. アースサイエンス株式会社、2. ㈲ ジー・エイ・シー、3. 様似町アポイ岳地学研究所)
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キーワード:

鷹泊超苦鉄質岩体、変成かんらん石、黒色ドメイン組織、幌成トロ二エム岩体、接触変成作用

 神居古潭帯北部の鷹泊超苦鉄質岩体は南北約10km, 東西約12kmの半ば蛇紋岩化したハルツバージャイト>ダナイトからなる岩体である(Igarashi et al.,1985). 神居古潭帯の蛇紋岩は高P/T変成岩分布域に産するものにアンチゴライトが出現する傾向があることから, 超苦鉄質岩の一部は, この変成作用の場に巻き込まれたと考えられ, 鷹泊岩体もその一部と考えられた(加藤, 1979・1982; Igarashi et al.,1985). この根拠は低温・低圧側で安定なリザルダイト―クリソタイルからなるメッシュ組織を切って後から高温・高圧側で安定なアンチゴライトが生成しているという観察事実によっている. しかし, その後, ウエッジマントルにおける流体移動への関心とともに, 見直しがされている. 鷹泊岩体では, 初生かんらん石間に直接アンチゴライトが生成する産状が発見されたことなどを根拠に, 先にアンチゴライトや変成かんらん石が生成し, 後からリザルダイトークリソタイルが生成したと考えられるようになった(葛西・植田, 2014; 山崎ほか, 2024). 鷹泊岩体では北~中部の大部分がリザルダイトークリソタイルからなり, 南部にアンチゴライトが, 最南部に変成かんらん石が出現する. たしかに, リザルダイトークリソタイルが生成しているかんらん岩体が上昇後沈み込み, 高P/T変成作用を受けて, 再上昇するテクトニクスは鷹泊岩体が塊状の大岩体であるだけに考えにくい. 加藤ほか (2024) はかつての鷹泊岩体の上昇→沈み込みの考えを撤回した一方, 鷹泊岩体の変成鉱物の生成順序の観察は正しいと考えており, 岩体の南側に分布するトロ二エム岩体の接触変成作用で説明できることを示した. ここでは鷹泊岩体の変成かんらん石が「黒色ドメイン組織」と呼ぶ, 黒色を帯びたレンズ状~粒間充填状の長径数mm以下の, 特殊な小領域に生成していることを紹介する. これは一定の蛇紋岩化作用が進んだ岩体が接触変成作用を受けたときに脱水による体積収縮にともなう空間が生成し, そこに変成かんらん石がアンチゴライトや磁鉄鉱とともに成長したことを示す. 一般に, 蛇紋岩に黒色ドメイン組織が認められれば, 現在変成かんらん石が蛇紋石化していても, 蛇紋岩がかつて接触変成作用を受けて温度上昇したことを示す証拠と考えることができる. このような蛇紋岩組織の事例をご存知の方があればご教示いただきたい. 引用文献 Igarashi,T. , Katoh, T. and Niida, K. (1985) Jour. Fac. Sci., Hokkaido Univ., Ser.Ⅳ, 21, 305-319. 葛西竹垣・植田勇人(2014)日本地質学会第121年学術大会, 要旨, 74. 加藤孝幸 (1979) MAGMA, 56, 1-7. 加藤孝幸 (1982) メランジェ帯の構成とテクトニクス, 日本地質学会第89年学術大会討論会資料, 21-24. 加藤孝幸・五十嵐敏彦・新井田清信 (2024) 日高山脈博物館紀要「日高山脈研究」,6, 1-12. 山崎秀策・岡崎健治・倉橋稔幸 (2024) 2024年度日本地球惑星連合大会, SMP24-P03.

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