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[T9-O-6]微視観察に基づくセメンテーションされたベントナイトの膨潤挙動の解明

*石渡 翔丸1、菊池 亮佑1、石田 美月1、大竹 翼1 (1. 北海道大学)
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キーワード:

ベントナイト、セメンテーション、膨潤性、放射光マイクロX線CT、電子顕微鏡


 地層処分において緩衝材として用いられるベントナイトは、その膨潤性によって低透水性を維持し、放射性核種の移行を抑制するバリア機能が期待されている。一方で、長期的にはベントナイト中の間隙水から二次鉱物が析出して固結するセメンテーション(膠結作用)を受けることで、膨潤圧が低下することが指摘されている(Ito et al., Can Geotechl J, 2025)。しかし、マクロな物性である膨潤圧の低下が報告される一方で、その要因となるベントナイトのナノ・ミクロスケールの微細組織の特徴は依然として十分に理解されていない。本研究は、セメンテーションされたベントナイトのアナログ試料として天然のベントナイト原鉱石を用いて、放射光マイクロX線CT(µCT)、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた膨潤状態の微視観察から、セメンテーションによる膨潤圧低下のメカニズムの解明することを目的とした。
試料は山形県大江町の月布ベントナイト鉱山から採取し、続成作用によりセメンテーションを受けた原鉱石と、それを粉砕・圧縮してセメンテーションの影響をなくした再構成試料を用いて比較した。µCTは、試料をアクリル容器に封入して体積を固定した状態で含水させ、SPring-8のBL47XUで測定した。SEMとTEMは、真空条件で膨潤状態を維持するため樹脂置換を行った上で観察した。
セメンテーションを受けた原鉱石では、試料全体で含水に伴ってモンモリロナイトが膨潤し、空隙を閉塞する様子がµCTで観察された。一方で、数から数十µm程度の石英や炭酸塩などの随伴鉱物がクラスター状に分布している様子が見られ、クラスター内部では飽和後も空隙が閉塞されずに残存しており、局所的に膨潤が進行しないことが示唆された。クラスター状の領域をSEMで観察・分析したところ、クラスター内部を凝集したモンモリロナイトが充填し、周囲のマトリクスに比べて樹脂が浸透しにくい領域を形成している様子が確認された。さらにTEMでモンモリロナイトの積層の様子を観察したところ、随伴鉱物の界面近傍ではマトリクスに比べて底面間隔が小さく、結晶膨潤が進行しにくいことが示唆された。一方で、セメンテーションの影響をなくした再構成試料では、試料全体で粒子が均質に分布しており、随伴鉱物がクラスター状に分布する組織は確認されず、いずれのスケールの観察でもモンモリロナイトの膨潤が均質に進行していた。これらの観察から、セメンテーションを受けたベントナイトでは、局所的に十分に膨潤しないモンモリロナイトが存在することによって、マクロスケールの膨潤圧の低下を引き起こしている可能性が考えられる。したがって、緩衝材のより高度な長期安全評価に向けて、不均質な微細構造を考慮することの重要性が示唆される。

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