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[G-O-6]海底堆積物記録からみた日向灘南部の地震発生履歴

*池原 研1,2,3、金松 敏也4 (1. 産業技術総合研究所、2. 国立科学博物館、3. 静岡大学、4. 海洋研究開発機構)
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キーワード:

日向灘、地震、タービダイト、完新世

 日向灘はユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込む場所にあたり,数十年に一度の頻度でM7級の大地震が繰り返し発生してきた場所である.日向灘は測地観測からプレート間の固着が強い四国沖から弱い南西諸島海溝の間の遷移域に位置し,日向灘北部から南部にかけてプレート間固着は段階的に弱くなるとされている.これを反映して地震活動も日向灘北部と南部で異なり,日向灘で最近では最大の1968年日向灘地震(Mj7.5)は北部で発生しているのに対し,南部では北部に比べて一回り規模の小さいM7前後の地震が度々発生している.2024年8月8日,宮崎市沖の日向灘南部を震源とするMj7.1のプレート境界地震が発生し,南海トラフ地震臨時情報が初めて発表された.しかし,南海トラフ地震と日向灘の地震の関係には未解明の点も多い.歴史地震にまで遡ると1662年(寛文)や1769年(明和)の日向灘地震が知られているが,日向灘南部の過去の大地震に関する情報も十分であるとは言えない.ここでは,日向灘南部から採取された海底堆積物コアから過去6500年間の大地震について検討する.
宮崎市沖の上部斜面の平坦面から採取されたコアにはパイロットコアに3枚,本体コアに14枚のイベント堆積物が認定された.パイロットコアには1471–1476年桜島文明噴火のテフラが確認され,その上位のイベント堆積物は1662年寛文(外所)地震に対応する可能性が高い.本体コアの11層準で得られた浮遊性有孔虫の放射性炭素年代値からイベント堆積物基底での侵食がないものとして堆積間隔を求めると62〜800年の間隔が得られ,200〜450年に比較的集中が認められる.半遠洋性泥とイベント堆積物の泥のバルク有機物の放射性炭素年代差は小さく,表層堆積物が強振動により再懸濁して形成されたイベント堆積物と判断される.コア採取地点上部の斜面からイベント堆積物の泥が供給されていると仮定して,計算するとM7.5以上の地震によりイベント堆積物が形成された可能性が示唆された.以上のことから,日向灘南部では200〜450年程度の間隔でM7.5を超える地震が繰り返し発生してきた可能性があると考えられる.日向灘南部では約60年間隔でM7級の地震を発生させる2つの領域があると考えられている(山下・堀,2025)が,200〜450年程度の間隔でより規模の大きい地震が発生していたのかもしれない.
文献:山下裕亮・堀 高峰(2025)地震第2輯,78,127–146.

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