講演情報
[T11-O-9]都市域の3D地質地盤モデルのデータ連携に向けた課題
*藪田 桜子1、野々垣 進1 (1. 産業技術総合研究所地質調査総合センター)
キーワード:
3D地質地盤モデル、3D都市モデル、都市デジタルツイン
都市空間をデジタル上で再現する都市デジタルツインの構築に向け,建物や道路等の地物を3次元で表現する3D都市モデルの整備が国際的に進展している.日本においても,Project PLATEAUにより,日本全国の都市デジタルツインの実現に向けた3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化が進められている(椿, 2024).他方,産業技術総合研究所地質調査総合センター(GSJ)では,都市域の地下数十mまでの地層分布を3次元的に表現した3D地質地盤モデルを整備しており,整備したモデルをウェブサイト「都市域の地質地盤図」で公開している[URL1].3D地質地盤モデルと3D都市モデルは,それぞれ都市の地下と地上を表現する相補的なモデルである.両モデルを連携させることにより,地下と地上を統合した都市空間の解析が可能となる.しかし,両モデルのデータ連携に関する検討は十分ではなく,実運用に向けた課題が存在する.本研究の目的は,GSJの3D地質地盤モデルとPLATEAUの3D都市モデルの特性を整理した上で,3D地質地盤モデルのデータ連携に向けた課題を明らかにすることである.
GSJの3D地質地盤モデルは,基準ボーリングデータを基に複数の地層境界面を推定したサーフェスモデル型の3Dモデルである.都市域の地質地盤図[URL1]では,基準ボーリングデータのほか,3D地質地盤モデルの平面図・立体図・断面図を閲覧できる.基準ボーリングデータは独自PDF形式やボーリング交換用XML形式,平面図は地図タイル形式,立体図は独自形式で公開されている.断面図については,3D地質地盤モデルからオンデマンド生成されるためデータ実体を持たない.現状では,無償・二次利用可能なデータとして提供されているのは基準ボーリングデータのみであり,平面図・立体図・断面図はWeb上での閲覧・作成に限定されている.一方,PLATEAUの3D都市モデルは,建物や道路などの地物について,位置・形状に加え多様な属性情報を保持した3Dモデルである.データ形式にはCityGMLを採用し,CityJSONなど他形式への変換も可能である(国土交通省,2024).また,CityGMLを軸とした複数のデータ形式でオープンデータとして公開されており[URL2],異なるプラットフォーム間でのデータ連携が可能となっている.
両モデルについてデータ形式および公開方法の観点から比較・整理した結果,GSJの3D地質地盤モデルと3D都市モデルとのデータ連携においては,標準規格に基づくデータ形式への対応やデータ提供環境の構築が課題であることが明らかとなった.具体的には,(1)地質情報標準に基づくデータ形式への対応,(2)APIなどを用いた機械可読なデータ提供環境の構築,の2点である.本研究で明らかとなった3D地質地盤モデルのデータ連携上の課題は,3D都市モデル以外の3Dデータとの連携においても共通する課題と考えられる.今後は,3D地質地盤モデルと他分野の3Dデータとの連携についても検討を進める.
[引用文献]
国土交通省, 2024, 3D 都市モデルのデータ変換マニュアル.国土交通省, 116p.
椿 優里, 2024, 3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化“Project PLATEAU”.AI・データサイエンス論文集, 5(2), 1–12.
[URL1] 産業技術総合研究所地質調査総合センター, 都市域の地質地盤図(GSJAIST, Urban Geological Map), https://gbank.gsj.jp/urbangeol/
[URL2] G 空間情報センター, 3D 都市モデル(Project PLATEAU)ポータルサイト(Geospatial Information Center, Portal site of 3D city model Project PLATEAU), https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/plateau.
GSJの3D地質地盤モデルは,基準ボーリングデータを基に複数の地層境界面を推定したサーフェスモデル型の3Dモデルである.都市域の地質地盤図[URL1]では,基準ボーリングデータのほか,3D地質地盤モデルの平面図・立体図・断面図を閲覧できる.基準ボーリングデータは独自PDF形式やボーリング交換用XML形式,平面図は地図タイル形式,立体図は独自形式で公開されている.断面図については,3D地質地盤モデルからオンデマンド生成されるためデータ実体を持たない.現状では,無償・二次利用可能なデータとして提供されているのは基準ボーリングデータのみであり,平面図・立体図・断面図はWeb上での閲覧・作成に限定されている.一方,PLATEAUの3D都市モデルは,建物や道路などの地物について,位置・形状に加え多様な属性情報を保持した3Dモデルである.データ形式にはCityGMLを採用し,CityJSONなど他形式への変換も可能である(国土交通省,2024).また,CityGMLを軸とした複数のデータ形式でオープンデータとして公開されており[URL2],異なるプラットフォーム間でのデータ連携が可能となっている.
両モデルについてデータ形式および公開方法の観点から比較・整理した結果,GSJの3D地質地盤モデルと3D都市モデルとのデータ連携においては,標準規格に基づくデータ形式への対応やデータ提供環境の構築が課題であることが明らかとなった.具体的には,(1)地質情報標準に基づくデータ形式への対応,(2)APIなどを用いた機械可読なデータ提供環境の構築,の2点である.本研究で明らかとなった3D地質地盤モデルのデータ連携上の課題は,3D都市モデル以外の3Dデータとの連携においても共通する課題と考えられる.今後は,3D地質地盤モデルと他分野の3Dデータとの連携についても検討を進める.
[引用文献]
国土交通省, 2024, 3D 都市モデルのデータ変換マニュアル.国土交通省, 116p.
椿 優里, 2024, 3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化“Project PLATEAU”.AI・データサイエンス論文集, 5(2), 1–12.
[URL1] 産業技術総合研究所地質調査総合センター, 都市域の地質地盤図(GSJAIST, Urban Geological Map), https://gbank.gsj.jp/urbangeol/
[URL2] G 空間情報センター, 3D 都市モデル(Project PLATEAU)ポータルサイト(Geospatial Information Center, Portal site of 3D city model Project PLATEAU), https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/plateau.
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