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[T16-P-5]熊本県河合場の下部石炭系柿迫層より大型化石群およびリンボク類化石の発見

*関谷 優輝1 (1. 熊本大学大学)
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キーワード:

下部石炭系紀、大型化石群、腕足類、リンボク類、三葉虫


 熊本県八代市泉町柿迫地域には,黒瀬川帯が分布しており,なかでも下部石炭系正常堆積物の柿迫層は,北縁を上部ペルム系堆積岩コンプレックスの深山層と,南縁を上部ペルム系正常堆積物の球磨層と接する.柿迫層はWSW―ENE方向に帯状に分布している (Kanmera 1952 , 斎藤ほか2005).柿迫層は,球磨層と蛇紋岩を伴う断層で接しているが,深山層との関係を示す露頭は見つかっていない.大型化石については,宮本ほか(1985)によって,腕足類が,Kanmera (1952)によって,フズリナ類や四放サンゴ類が報告されている.
 今回,柿迫層の下部からリンボク類を含む植物化石のほか,三葉虫や腕足類,四放サンゴを含む化石群を複数発見した.リンボク類が見られた化石群は黄灰色の砂質泥岩より構成され,東西方向にほぼ水平に伸長する.上位3m先にある灰緑色の泥岩層からは小型腕足類の密集層が確認された.この腕足類はサイズがほぼ均一で一定の配向性を示していることから,急激な流れ込みによって堆積したと考える.三葉虫を含む化石群はリンボク類が見られた地点からWSW方向に200m進んだ,暗青色泥岩層より産出し,腕足類や四放サンゴ,木片化石を共産した.本地点の腕足類は,リンボク類を含む化石群から下位10mにある大型動物化石群と同じ種がみられたが,リンボク類の下位層でみられた掘足類や腹足類は産出しなかった.また,三葉虫を含む層準では主に泥岩が卓越し,掘足類や腕足類を産する層準では砂岩が卓越することから,二つの地点では水深などの堆積環境が異なっていたと考える.
 日本におけるリンボク類化石の報告は上部デボン系のLeptophloeumが挙げられるが,下部石炭系のリンボク類に関する産出報告は未だなされていない.そのため,本調査により産出した個体は,日本発の石炭系からのリンボク類である.今後は,岩相および微化石を用いて,複数の化石産出層準を対比するとともに,下部石炭系リンボク類化石について同定を進めていく予定である.

【引用文献】Kanmera, K. (1952), Mem. Fac. Sci., Kyushu Univ., Ser. D, 3,
157–177; 宮本隆実ほか(1985), 地球科学, 39, 78–84; 斎藤 眞ほか(2005),
砥用地域の地質, 産総研, 7 – 41.

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