講演情報
[T16-P-19]島根県浜田市に分布する中新統唐鐘層畳ヶ浦砂岩部層から産出する有孔虫化石
*永岡 正行1、林 広樹1 (1. 島根大学)
キーワード:
島根県浜田市、石見畳ヶ浦、中新統、有孔虫、唐鐘層
島根県浜田市北東部の国分町では,国指定天然記念物の石見畳ヶ浦を中心とした地域に局所的に中新統唐鐘層が露出する.唐鐘層は中国山地に点在する備北層群と同様の瀬戸内区中新統に属するとされており(今岡ほか,1990),その層序は下位から順に唐鐘川泥岩部層,姉ヶ浜砂岩部層,金周布礫岩砂岩部層,畳ヶ浦砂岩部層に分けられる(中条ほか1993).大型化石に関する研究は古くからおこなわれており,姉ヶ浜砂岩部層からはVicarya,Vicaryella等が,金周布礫岩砂岩部層からはSolidicorbula-Glycymeris群集と呼ばれる貝化石群,畳ヶ浦砂岩部層からはTurritella-Glycymeris群集と呼ばれる貝化石群がそれぞれ産出する(大久保・都留,1981;大久保,1982;都留,1983).
唐鐘層の微化石に関する研究に目を向けると,金周布礫岩砂岩部層からは大型有孔虫Miogypsinaが報告されている(大久保,1980,1982;永岡, 2026; 永岡・林,2026).一方,畳ヶ浦砂岩層では小型有孔虫が産出し,石灰質ノジュール列N9付近にて多産することが大久保(1982)により報告されているが,具体的な産出化石種については記載されていない.そこで本研究では,畳ヶ浦砂岩部層から産出する有孔虫について分析した.
畳ヶ浦砂岩部層は,石見畳ヶ浦千畳敷にて岩石試料の採取を実施した.石見畳ヶ浦は国指定天然記念物であることから,文化庁の許可を得るとともに浜田市職員の立ち合いのもと計11地点で試料を採取した.採取された試料は硫酸ナトリウム法及びナフサ法を併用して処理し,微化石の拾い出しを行った.検討した試料から産出した有孔虫化石は,そのほとんどを底生有孔虫によって占められ,Hanzawaia tagaensisやLenticulina nikobarensis, Heterolepa praecinctaなどが多産した.これらの主要構成種はいずれも備北層群でみられる種であり,本層準はNomura(1992)における備北層群のHanzawaia tagaensis-Heterolepa praecincta群集帯に該当し,陸棚中部の環境であったことが推定できる.
文献
今岡ほか,1990,地質学雑誌,96,945-948;中条ほか,1993,地球科学,47,473-484;大久保・都留,1981,瑞浪市化石博物館研究報告,8,47-53;大久保,1982,島根大学理学部紀要,16,113-123;都留,1983,瑞浪市化石博物館研究報告,10,41-48;大久保,1980,地質学雑誌,86,505-509;永岡,2026,島根県地学会誌,41,17-19;永岡・林,2026,令和8年島根県地学会研究発表会講演要旨集,11-12;Nomura,1992,地質学雑誌,98,587-610
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
