講演情報
[T10-P-1]オフィオライト中の超苦鉄質岩類の形成場と課題:海洋底試料,捕獲岩からの補完
*森下 知晃1,2、服部 達也3、古口 航1、田村 明弘1 (1. 金沢大学、2. 海洋研究開発機構、3. 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)
キーワード:
オフィオライト、超苦鉄質岩、中央海嶺、島弧、捕獲岩
オフィオライトでは,近年,水―岩石反応場検証(例えば,Kelemen et al., 2018 Energy Procedia; Templeton et al., 2024 Front. Geochem.; Yoshida et al., 2026 GCA),物性測定による地下の物理探査結果に対する物質科学的解釈といった研究が進められている(例えば,Akamatsu et al., 2024 GRL).これらの研究において,オフィオライト構成岩石群の特徴を把握しておくことは基本である.本発表では,オフィオライト中の超苦鉄質岩について現状と課題をまとめてみたい.
中央海嶺系で形成されてきたと考えられてきたオマーンオフィオライトにおいて(Niclolas, 1989 Kluwer Academic Pub.),日本の研究グループの詳細な調査により,島弧環境で形成された岩石群が混在していることが指摘されたことは重要な転換となった(例えば,Ishikawa et al., 2002 Geology; Arai et al., 2006 J. Geol. Soc. London; Kusano et al., 2017 Chem. Geol.; Kanke & Takazawa, 2014 J. Geol. Soc. London).オフィオライトは,その形成テクトニクス場が自明ではないことが問題となる.そこで,海洋底や火山岩など,テクトニックセッティングが既知の場所からの情報との比較が必要である.
残渣かんらん岩相当:オマーンオフィオライトでは,マントルセクションに相当するハルツバージャイトが卓越する地域では,中央海嶺系の深海性かんらん岩に期待されるDeplete MORB Mantle 組成(Workman & Hart, 2005 Chem. Geol.)の断熱上昇による部分溶融とメルト抽出・移動を受けた特徴を持つ岩石に伴い,島孤環境のような流体流入を伴う溶融・交代作用・蛇紋岩化を受けた残渣かんらん岩が分布している(Kanke & Takazawa, 2014; Miki et al., 2026 G-cubed).この断熱上昇が中央海嶺系か,プレート沈み込み初期かは注意が必要である.オフィオライト研究例の多くは,高Cr#(Cr/(Cr+Al)比)スピネルの存在によって島弧ステージが認定されている.これは,前孤域深海性かんらん岩が溶融度の高い残渣かんらん岩や溶融程度が高いメルトが関与したかんらん岩であることが報告されたからである(Parkinson & Pearce, 1998 J. Pet.).しかし,前弧域でも,メルト成分に富む岩石は報告されており,その特徴は中央海嶺系と類似しているが,わずかに異なることがわかってきた(Nishio et al., 2026 Geochem. Perspect. Lett.).また,オフィオライト中のレールゾライト的な岩石の地球化学的特徴は多様であり(Takazawa et al., 2003 G-cubed),島弧環境での流体流入を受けた残渣かんらん岩も存在する (Kakar et al., 2021 Geol. J.).
島弧最上部の輝岩類:中央海嶺系で採取される深海性超苦鉄質岩中には,輝岩類が乏しい.一方,島弧起源オフィオライトからは,輝岩類が普遍的に産する(宮守:Ozawa, 1988 CMP; 夜久野: Ishiwatari, 1985 CMP).類似する岩石は,伊豆―小笠原―マリアナ孤由来の深海性かんらん岩(Loocke & Snow, 2024 J. Pet.),島弧捕獲岩(Muroi et al., 2014 JMPS)からも報告されている.輝石類の量比は地震波速度やレオロジー挙動に影響を与えるため(Hattori et al., 2025 Int. Geol. Rev.),島弧最上部マントルの輝石量を制約するプロセスの理解が必要である.
島孤固有の角閃石かんらん岩・輝岩類?:島弧起源オフィオライトの地殻相当に角閃石かんらん岩・輝岩類が報告されている(宮守:Ozawa, 1984 J. Geol. Soc. Japan; 夜久野: Ishiwatari, 1985 J. Pet.).これらに類似した岩石は,花崗岩や変成岩に伴う超苦鉄質岩(Itano et al., 2021 Lithos; Wakazono et al., 2025 Front. Geochem.),島弧捕獲岩として報告されている(Ishimaru et al., 2009 JMPS).角閃石かんらん岩・輝岩はメルトからの結晶化では形成されにくく,形成モデル,島弧深部の構成要素としての役割など不明な点が多い.
中央海嶺系で形成されてきたと考えられてきたオマーンオフィオライトにおいて(Niclolas, 1989 Kluwer Academic Pub.),日本の研究グループの詳細な調査により,島弧環境で形成された岩石群が混在していることが指摘されたことは重要な転換となった(例えば,Ishikawa et al., 2002 Geology; Arai et al., 2006 J. Geol. Soc. London; Kusano et al., 2017 Chem. Geol.; Kanke & Takazawa, 2014 J. Geol. Soc. London).オフィオライトは,その形成テクトニクス場が自明ではないことが問題となる.そこで,海洋底や火山岩など,テクトニックセッティングが既知の場所からの情報との比較が必要である.
残渣かんらん岩相当:オマーンオフィオライトでは,マントルセクションに相当するハルツバージャイトが卓越する地域では,中央海嶺系の深海性かんらん岩に期待されるDeplete MORB Mantle 組成(Workman & Hart, 2005 Chem. Geol.)の断熱上昇による部分溶融とメルト抽出・移動を受けた特徴を持つ岩石に伴い,島孤環境のような流体流入を伴う溶融・交代作用・蛇紋岩化を受けた残渣かんらん岩が分布している(Kanke & Takazawa, 2014; Miki et al., 2026 G-cubed).この断熱上昇が中央海嶺系か,プレート沈み込み初期かは注意が必要である.オフィオライト研究例の多くは,高Cr#(Cr/(Cr+Al)比)スピネルの存在によって島弧ステージが認定されている.これは,前孤域深海性かんらん岩が溶融度の高い残渣かんらん岩や溶融程度が高いメルトが関与したかんらん岩であることが報告されたからである(Parkinson & Pearce, 1998 J. Pet.).しかし,前弧域でも,メルト成分に富む岩石は報告されており,その特徴は中央海嶺系と類似しているが,わずかに異なることがわかってきた(Nishio et al., 2026 Geochem. Perspect. Lett.).また,オフィオライト中のレールゾライト的な岩石の地球化学的特徴は多様であり(Takazawa et al., 2003 G-cubed),島弧環境での流体流入を受けた残渣かんらん岩も存在する (Kakar et al., 2021 Geol. J.).
島弧最上部の輝岩類:中央海嶺系で採取される深海性超苦鉄質岩中には,輝岩類が乏しい.一方,島弧起源オフィオライトからは,輝岩類が普遍的に産する(宮守:Ozawa, 1988 CMP; 夜久野: Ishiwatari, 1985 CMP).類似する岩石は,伊豆―小笠原―マリアナ孤由来の深海性かんらん岩(Loocke & Snow, 2024 J. Pet.),島弧捕獲岩(Muroi et al., 2014 JMPS)からも報告されている.輝石類の量比は地震波速度やレオロジー挙動に影響を与えるため(Hattori et al., 2025 Int. Geol. Rev.),島弧最上部マントルの輝石量を制約するプロセスの理解が必要である.
島孤固有の角閃石かんらん岩・輝岩類?:島弧起源オフィオライトの地殻相当に角閃石かんらん岩・輝岩類が報告されている(宮守:Ozawa, 1984 J. Geol. Soc. Japan; 夜久野: Ishiwatari, 1985 J. Pet.).これらに類似した岩石は,花崗岩や変成岩に伴う超苦鉄質岩(Itano et al., 2021 Lithos; Wakazono et al., 2025 Front. Geochem.),島弧捕獲岩として報告されている(Ishimaru et al., 2009 JMPS).角閃石かんらん岩・輝岩はメルトからの結晶化では形成されにくく,形成モデル,島弧深部の構成要素としての役割など不明な点が多い.
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