講演情報
[T10-P-3]ICDPオマーン掘削計画BA3A掘削コアの絶対方位解析:オマーンオフィオライトにおけるマントル流動の復元★2026年度学生優秀発表賞受賞★
*奥脇 健生1、道林 克禎1,2 (1. 名古屋大学、2. 海洋研究開発機構)
キーワード:
かんらん岩、オマーンオフィオライト、掘削コア
ICDPオマーン掘削計画(2016–2018; Kelemen et al., 2020)では、オマーンオフィオライト南部Wadi Tayin岩体から連続したマントルかんらん岩コアが採取され、海洋リソスフェア形成時のマントル変形を連続的に記録した試料が得られた。オマーンオフィオライトでは、これまで露頭試料に基づいてマントルダイアピルやアセノスフェア流動からリソスフェア流動への遷移が議論されてきた(Nicolas et al., 2000; Michibayashi et al., 2000, 2025)。しかし、掘削・回収時に各コアが独立に回転するため、深度方向に連続したマントル変形方向を復元することは困難であった。
本研究では、コアの本来の方位を復元するため、孔壁画像とX線CT画像を対応付けることでコアの回転角を決定するMATLABベースのGUIを開発した。得られた回転角を用いて、構造ファブリックおよびオリビン結晶方位定向配列(CPO)の絶対方位を復元した。
方位補正後には、面構造の極が明瞭に集中し、面構造が南東へ緩やかに傾斜することが示された。また、オリビンa軸方位は深度とともに系統的な時計回りの回転を示し、浅部では北東向き、中部では南東向き、深部では南南西向きへと変化した。これらの深度変化は、BA地域直下における不均質なマントル流動を示唆しており、マントルダイアピルに伴う放射状流動、あるいは海洋リソスフェア形成時のアセノスフェア流動からリソスフェア流動への遷移に伴う流動方向の時間変化、もしくは両者の複合的な影響を反映している可能性がある。
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