講演情報

[T1-P-9]木津川断層帯伊賀断層における地表調査およびボーリング調査

*和田 純一1、島田 耕史1、田中 桐葉1 (1. 日本原子力研究開発機構)
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キーワード:

伊賀断層、ボーリング調査、伊賀上野地震

 日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、断層の活動性評価技術の開発のため断層破砕物質の採取を目的としたボーリング調査および地表調査を木津川断層帯の1つである伊賀断層において実施した。伊賀断層は、三重県伊賀市外山付近から同市西山まで、東北東-西南西方向に延びる長さ約8 kmの断層で(堤,2021)、白亜紀の花崗岩である信楽花崗岩類と新第三紀末の堆積岩である古琵琶湖層群との境界をなす右横ずれの変位を伴う活断層であり、その最新活動時期は、伊賀上野地震を引き起こした1854年である(地震調査研究推進本部, 2004)。本発表では、調査で得られた断層破砕部の概要と、ボーリングコア試料と地表露頭からの採取試料の対比結果を報告する。
ボーリング調査地点は伊賀上野地震による断層変位が確認された伊賀市東高倉のトレンチ(苅谷ほか, 1999)近傍で、4孔(GC-HT-1~4孔、計178.68m)の掘削を行った。ボーリングコア採取後、断層の姿勢を測定するためボアホールカメラによる孔壁画像の撮影を行った。地表調査では、既知の伊賀断層の東端延長部の柘植川左岸の河川敷に断層露頭を発見し、断層破砕部とその周辺からブロック試料を採取した。
ボーリング調査では4孔すべてで、伊賀断層と考えられる花崗岩-古琵琶湖層群の岩相境界を確認した。孔壁画像解析により確認した断層の姿勢は、北北東-南南西~東北東-西南西走向、55°程度の北~西傾斜であり、既報の木津川断層帯(地震調査研究推進本部, 2004)の走向(N70°E)傾斜(40~60°北傾斜)やトレンチ調査(苅谷ほか, 1999)で確認されている伊賀断層の走向(N30°E~EW)と概ね調和的であった。断層部分のボーリングコアの薄片観察、断層面の観察を行った結果、1854年の伊賀上野地震の運動と調和的な逆断層成分を含む右横ずれの断層運動を示す複合面構造が確認された。
地表露頭では、伊賀断層の断層面と解釈できる花崗岩と古琵琶湖層群の岩相境界を確認し、断層面は東北東−西南西走向、北に約65°傾斜し、断層面に沿って幅5~30cm程度の断層粘土が発達していた。採取した断層面とその近傍の試料の薄片観察の結果、右横ずれセンスを示す複合面構造と左横ずれセンスを示す複合面構造の両方が認められた。以上の結果から地表露頭周辺の伊賀断層東部では、ボーリング調査地点周辺と異なるセンスの活動をした可能性が考えられる。

【引用文献】
堤(2021):1:25,000活断層図 木津川断層帯とその周辺「上野」解説書,国土地理院,8p.
地震調査研究推進本部地震調査委員会(2004):木津川断層帯の評価.19p.
苅谷ほか(1999):木津川断層系の古地震調査.地質調査所速報,no. EQ/99/3(平成10 年度活断層・古地震研究調査概要報告書),103–113.

【謝辞】
本報告は経済産業省資源エネルギー庁委託事業「令和6~8年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(JPJ007597)(地質環境長期安定性総合評価技術開発)」の成果の一部を使用している。

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