講演情報

[1O16]ラオス人民民主共和国における血液事業の開発と国際支援の変遷

*山本 大介1 (1. 北里大学)

キーワード:

ラオス、血液事業

【研究の背景およびリサーチクエスチョン】開発途上国で安全な輸血用血液を安定的に供給する体制を整備することは難しい。後発開発途上国であるラオス人民民主共和国では、諸外国から継続的な支援を受けて血液事業の基盤を整備し、国内全土に事業を発展させた。本研究では、ラオス血液事業の開発と国際支援の変遷を調査及び分析し、他の開発途上国における血液事業の開発に資する知見を得ることを目的とした。【資料・情報および分析方法】世界保健機関(WHO)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、ラオス赤十字社(LRC)、各国赤十字社(JRCやGRCなど)の資料、ラオス血液事業に関わる学術論文、ラオス政府が所管する情報誌(Vientiane Times等)、民間の情報誌(The Laotian Times等)などの資料を広く収集し、関連情報を分析した。【得られた知見】ラオスのような小規模な開発途上国で血液事業を開発する際に参考となる知見は以下の通りである。ラオスでは、国が血液事業の制度化を目指して、国家血液政策を策定し、国家輸血委員会を組織化し、実質的な運営をラオス赤十字に担当させた。先進諸国の赤十字等による支援を受けて、首都ビエンチャンに血液事業の中核となる国家輸血センター(NBTC)を設立し、中央から地方への段階的な事業展開が図られた。支援国の機関が相互に補完し合う役割を担いながら、ラオス血液事業の成熟度に応じた国際支援が行われたことが持続的な事業の発展に寄与したと考えられた。

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