講演情報
[1O17]政策実施過程における大学の裁量に対する影響要因の分析-来華留学生異文化間能力育成プロセスに着目して-
*王 澤霖1 (1. 東北大学)
キーワード:
留学生、異文化間能力、政策実施
本研究の目的は、組織と個人の視点から、大学が『来華留学生高等教育質量規範(試行)』(以下『規範』と略す)に掲げられた「異文化間能力」という政策目標を来華留学生教育に導入する際に、実施者としての教職員が裁量の行使への影響を明らかにすることである。 本研究は「異文化間能力」が大学での実施過程に着目する理由は二つある。第一の理由は異文化間能はグローバル人材が必要な能力だけでなく、来華留学生の異文化間適応及び各国の相互理解の促進に貢献できる重要な能力だからである。第二の理由は、この目標の達成は各大学自らの解釈と実施に深く関連するからである。確かに『規範』を打ち出しが政策の後押しを提供したが、『規範』が「異文化間能力」の実施に関する指導が示していないため、経験が不十分な各大学が実施する際に、多く課題が生じた。そのため、大学での実施過程に着目する必要がある。しかし、この目標がどのように来華留学生教育に導入されたのかがまだ明らかにされていない。 更に、本研究は組織と個人という二つの視点から、ルースカップリング理論とストリートレベル官僚制論に基づいて、分析の枠組みをまとめた。その理由は、先行研究により『規範』の実施は複数の部門と教職員に関連しているからである。 研究目的を実現するため、本研究は事例研究の方法を採用し、同じ都市の双一流大学と一般大学を選定する。そして、留学生課と一般学部における、留学生養成プランの制定・異文化間能力の育成を担当する教職員に半構造化インタビューを行う。 調査結果により、大学が用いる資源の多寡を影響され、二つの大学が異なる実施方法を選択した。そして、教職員の裁量の行使には組織自身の構造・部門の間の協力状態、及び教員個人が来華留学生・自分の仕事への認識などの要因があると判明された。結論として、組織からの評価と奨励が、教職員が政策実施過程で有限な資源の分配に大きく影響できる(800)。
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