講演情報
[1O31]高等教育機関における環境リスク管理に関する一考察
―いつまでに、どのように、カーボンニュートラル達成を目指すのかー
*榎本 直子1 (1. 法政大学)
キーワード:
環境リスク、カーボンニュートラル、カーボンオフセット、直接削減、対策の持続性
2020年10月、政府は2050年迄に特定温室効果ガス排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、東京都は東京都環境確保条例の第四計画期間(2025~2029年度)に基準排出量の50%削減義務を本学に課している。
一方、二酸化炭素を長期間固定するバイオ炭の社会実装を進める立命館大学や社中一体で目指す慶應義塾大学、省エネ、創エネ、再エネ電力の調達を組み合わせた立教大学の様に2030年迄にカーボンニュートラル達成を目指す大学もあるが、いつまでに、どのように達成を目指すのかは大幅に異なる。
本報告は、法政大学を事例に環境リスク管理の観点からカーボンニュートラル達成に向けた目標設定と施策を中心に考察する。同大学は1999年に一部でISO14001認証取得、2017年度に独自の法政大学EMSに移行、2022年度にカーボンニュートラル推進特設部会、2025年度にカーボンニュートラル推進センターを開設した。2022年9月に総長がカーボンニュートラル宣言を行い、グリーン電力証書システム(2025年度は実質再エネ電気)、カーボンオフセット都市ガスを導入した。また、複数の地方自治体と各種協定を締結したが、環境省「脱炭素先行地域」事業には採択されていない。
一方、カーボンニュートラル宣言は、エネルギー使用量や特定温室効果ガス等の排出量削減に向けた目標および行動計画を策定し、削減に努めることを掲げたが、2024年6月に環境センターを廃止し、数値目標や削減量を積算した行動計画、物品調達の指針となるグリーン購入方針を公表しておらず、個人の意思決定によるエネルギー使用量増減も想定されていない。
2025年4月発表のキャンパスグランドデザインは、経済学部市ケ谷移転及び校地拡大、定員増、小金井の電力契約の見直しを予定している。環境リスク管理の観点からは、特定温室効果ガス排出量削減分の環境価値が付与される製品・サービスの購入と併せて、自らで排出量を直接削減できるかが鍵となる。
一方、二酸化炭素を長期間固定するバイオ炭の社会実装を進める立命館大学や社中一体で目指す慶應義塾大学、省エネ、創エネ、再エネ電力の調達を組み合わせた立教大学の様に2030年迄にカーボンニュートラル達成を目指す大学もあるが、いつまでに、どのように達成を目指すのかは大幅に異なる。
本報告は、法政大学を事例に環境リスク管理の観点からカーボンニュートラル達成に向けた目標設定と施策を中心に考察する。同大学は1999年に一部でISO14001認証取得、2017年度に独自の法政大学EMSに移行、2022年度にカーボンニュートラル推進特設部会、2025年度にカーボンニュートラル推進センターを開設した。2022年9月に総長がカーボンニュートラル宣言を行い、グリーン電力証書システム(2025年度は実質再エネ電気)、カーボンオフセット都市ガスを導入した。また、複数の地方自治体と各種協定を締結したが、環境省「脱炭素先行地域」事業には採択されていない。
一方、カーボンニュートラル宣言は、エネルギー使用量や特定温室効果ガス等の排出量削減に向けた目標および行動計画を策定し、削減に努めることを掲げたが、2024年6月に環境センターを廃止し、数値目標や削減量を積算した行動計画、物品調達の指針となるグリーン購入方針を公表しておらず、個人の意思決定によるエネルギー使用量増減も想定されていない。
2025年4月発表のキャンパスグランドデザインは、経済学部市ケ谷移転及び校地拡大、定員増、小金井の電力契約の見直しを予定している。環境リスク管理の観点からは、特定温室効果ガス排出量削減分の環境価値が付与される製品・サービスの購入と併せて、自らで排出量を直接削減できるかが鍵となる。
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