講演情報
[20p-A305-3]眼疾患診断に向けたブリルアン分光法を用いた硝子体の粘弾性評価
〇石飛 秀和1,2,3、徳満 俊介2、井上 康志1,2,3 (1.阪大院生命、2.阪大院工、3.産総研・阪大 先端フォトバイオ)
キーワード:
ブリルアン散乱,粘弾性,硝子体
硝子体はコラーゲンの3次元網状構造で構成されており、網目の隙間にはヒアルロン酸(HA)とHAが保持する水分が含まれています。加齢に伴うHAの劣化は硝子体の粘弾性を変化させ、網膜剥離や飛蚊症などの眼疾患の原因となります。しかし、硝子体の粘弾性を非侵襲的に定量的に検査した報告はまだありません。本研究では、老化した硝子体を模倣してHAの分解を誘導するヒアルロニダーゼ(HAase)を利用し、ブリルアン分光システムを用いてブタ硝子体の粘弾性を測定しました。PBSを注入した硝子体と比較して、HAaseを注入した硝子体では弾性率の増加することが分かりました。この増加は、硝子体内でのHAの分解によるコラーゲン線維の凝集によるものと考えられます。