講演情報

[7a-N306-7]Co2+による中性リン脂質二重膜への可逆的な孔形成

〇黒田 真紀1、手老 龍吾1 (1.豊橋技科大)

キーワード:

脂質二重膜、蛍光顕微鏡、重金属イオン

本研究では、細胞膜モデルとして中性リン脂質であるDOPCの支持脂質二重膜(SLB)を作製し、Co2+を特定の条件で添加することでDOPC-SLB上に微小孔が形成される現象を見出した。この孔形成におけるCo2+濃度依存性を蛍光顕微鏡観察により調べると、[Co2+] = 1 mMではSLBの構造的な変化はなく、[Co2+] = 5 mMで直径1 - 5 μm程度の暗点が生じた。暗点が存在する領域でFRAP観察を行うと、暗点の蛍光強度や形状に変化がなかったことから、この暗点はSLB内に生じた孔であると考えられる。また、溶液中からCo2+を取り除くと孔は消失した。DOPC-SLB上の孔形成におけるCo2+濃度依存性および可逆性を示した。