講演情報
[8a-N302-3]高配向MoS₂/サファイア界面における積層構造のTEM解析
〇狩野 絵美1、奈良 純2、安野 寿輝1、田中 怜多1、楊 旭1、渥美 圭脩3、李 曙紅3、長汐 晃輔3、佐久間 芳樹2、五十嵐 信行1 (1.名古屋大、2.NIMS、3.東大)
キーワード:
透過型電子顕微鏡、MoS2、MOCVD
本研究では、MOCVD法によりサファイア(0001)基板上に成長させた単層MoS₂膜の界面構造をHAADF-STEMを用いて解析し、基板との配向関係と相互作用を明らかにした。得られた膜は高配向の単結晶性を示し、MoS₂の[11̅00]方向が基板と一致し、Mo原子がAl原子と整合する位置に配置されていた。第一原理計算により、Mo原子層と基板表面のAl原子層間では、真空仮定下でTEM観察よりも短い距離が安定であることが示された。また、TEM観察に周期的構造が見られなかったことから、界面に周期構造を持たない吸着層が存在すると考えられる。吸着層が適度な厚みであることで、基板との相互作用が維持され、高配向成長が実現されたと推察される。これらの結果は、MoS₂の単結晶膜成長において、吸着層の構造と厚みの最適化が重要であることを示している。