講演情報
[8p-N201-2]層状酸化物Sr2.5Bi0.5NiO5における電子状態と電気伝導の局所原子配列・La置換の依存性
〇(M2)彭 芋キン1、河底 秀幸1、吉川 聡一1、山添 誠司1 (1.都立大理)
キーワード:
遷移金属酸化物、局所原子配列、X線吸収端近傍構造
Sr2.5Bi0.5NiO5は、岩塩構造の (Sr1.5Bi0.5)O2 絶縁層におけるSr/Bi配列の秩序・無秩序が電気伝導と強く相関する、特異な酸化物である。本研究では、秩序相および無秩序相のSr2.5Bi0.5NiO5に対して、SrサイトのLa置換が結晶構造・電子状態に与える影響を調べた。X 線回折とリートベルト解析から、Sr/Bi配列の秩序・無秩序によらず、La置換量が増加するとa軸長は減少し、c軸長は増加した。また、La の固溶限界は 15% であることもわかった。一方、X線吸収端近傍構造から、秩序相ではLa置換に伴い、Niの価数が還元側に変化するのに対し、無秩序相ではNiの価数が酸化側に変化することがわかった。これらの結果はSr2.5Bi0.5NiO5では、同じLa置換であっても、 Sr/Bi配列の違いによって電子物性に対して異なる影響を与える可能性を示唆する。