講演情報
[8p-N403-15]屋久杉年輪の14C分析による1279年頃の宇宙線変動の調査
〇三宅 芙沙1、木村 勝彦2、森谷 透3、武山 美麗3、門叶 冬樹3、Lukas Wacker4 (1.名古屋大学、2.福島大学、3.山形大学、4.ETH Zurich)
キーワード:
炭素14、宇宙線増加イベント、樹木年輪
樹木年輪の炭素14(14C)は、過去の銀河宇宙線変動や太陽高エネルギー粒子(SEP)イベントの良い指標である。これまでに、過去の極端に大きなSEPイベントの痕跡が14Cスパイクとして報告されてきた。先行研究では、1279年~1280年に年輪の14C濃度の有意な増加が報告されており、極端SEPイベントの候補とされているが、その増加量は約5‰以下と小さく、1年での有意な増加が認められない測定事例も報告されているため、イベントの実在性について議論が続いている。本研究では、1279年頃の宇宙線変動に関する知見を深めるため、屋久杉年輪を用いた高精度な14C濃度分析を実施した。本講演では、その分析結果について報告する。