講演情報

[9p-S102-4]ツイストグラフェンの超流動スティッフネス測定と量子幾何効果

〇田中 未羽子1,2、Joel Wang2、Thao Dinh2、Daniel Rodan-Legrain2、Sameia Zaman2、Max Hays2、渡辺 賢司3、谷口 尚3、Pablo Jarillo-Herrero2、William Oliver2 (1.東大物性研、2.マサチューセッツ工科大学、3.物質材料研究機構)

キーワード:

原子層物質、超伝導

超伝導体の性質を特徴づける最も重要な物理量の一つが位相勾配と電流の比例係数である超流動スティッフネスである。バルク超伝導体では測定手法が確立されているが原子層超伝導体での測定は困難であった。我々は2次元マイクロ波共振器に原子層超伝導体を結合することで魔法角ツイスト2層グラフェンの超流動スティッフネスを測定した。従来考えられてきな超流動スティッフネス項はバンド分散がフラットであるツイスト2層グラフェンでは非常に小さくなり、この項では測定値が説明できないことを見出した。測定された超流動スティッフネスの値は量子幾何効果を考慮すると説明可能で、量子幾何効果による新しいタイプの超伝導が実現していることを示唆する。また、超流動スティッフネスの温度依存性、バイアス電流依存性などを調べ、超伝導ギャップが異方的であることを示唆する結果を得た。