講演情報

[9p-S203-4]太陽系物質科学への期待と共創点

〇高野 淑識1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:

炭素質小惑星、水―有機物―鉱物の相互作用、化学進化

炭素質小惑星リュウグウ(Ryugu)から地球帰還した試料は、太陽系物質科学の理解に大きな前進をもたらした。初生的な物質性状ならびに水―有機物―鉱物の相互作用とともに46億年の時間積分された有機分子の化学進化を記録している。炭素質小惑星は、分子進化を観測できる天然の実験室である。2023年に帰還したNASA主導のオシリス・レックスによる炭素質小惑星ベンヌ(Bennu)との比較考察は、重要なマイルストーンになるだろう。ここでは、太陽系物質科学の中長期的な展望と併せて、国際コミュニティで目指す共創点を議論したい。