講演情報

[2H-06]食塩無添加そうめんの物性とミクロ構造

〇安田 みどり1、米山 明男2、竹谷 敏3、田端 正明4 (1. 西九州大、2. 九州シンクロトロン光研究センター、3. 産総研、4. 佐賀大)
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キーワード:

そうめん、食塩、ミクロ構造

【目的】食塩は、小麦粉中のグルテンネットワークを緻密にし、生地の粘弾性や伸展性を増大させ、コシのある独特な食感を作り出す働きをしていると言われている。一方、近年の健康志向により、「減塩」へのニーズが高まり、食塩含量を抑えた麺の開発が行われている。本研究では、食塩無添加のそうめんの物性測定や内部構造の観察を行い、食感との関連を調べた。
【方法】試料は、佐賀県神埼市で製造された機械そうめんで、通常どおり原料に食塩を添加したそうめん(食塩添加)と添加していないそうめん(食塩無添加)を用いた。食味検査は、パネル23名により、見た目、味、香り、かたさ、コシ(弾力)、のどごし、総合評価について、5段階評価法により行った。破断強度の測定は、クリープメーター(RE2-3305R、山電)を用いて行った。さらに、放射光マイクロCTを用いてそうめんの内部構造を観察した。
【結果】食味検査の結果、食塩添加のそうめんに比べて食塩無添加のそうめんの方が有意にかたく、コシ(弾力)があると評価された。破断強度の測定から、歪率90%のときの応力は食塩添加のそうめんよりも食塩無添加のものが高かったが、コシは逆の結果となった。放射光マイクロCTにより、食塩無添加のそうめんは食塩添加のものに比べて、中央部に空隙が多く存在していることが明らかとなった。これにより、食塩無添加そうめんは、水の吸水が遅くなり、食感に影響を与えたと考えられる。