講演情報

[3K-02]ローズマリー由来カルノシン酸の肺がん転移予防効果と作用機序の解明

〇柴田 紗知1、今 重之1 (1. 福山大学)
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キーワード:

カルノシン酸、B16-BL6細胞、インテグリン

【目的】ローズマリー由来カルノシン酸はがんとの関連が示唆されている血管新生を阻害することが報告されている。そこで、本研究では、B16-BL6 メラノーマ細胞株と C57BL/6 マウスを用いた肺がん転移モデルにおいて、カルノシン酸による肺がん転移予防効果とその機序を明らかにすることを目的に検討した。 【方法】肺がん転移モデルはマウスメラノーマ細胞株であるB16-BL6細胞をC57BL/6マウスへ尾静脈に投与した。飼育期間中には明暗箱試験やオープンフィールド試験等の行動科学試験を行った。飼育終了後には肺を摘出し、肺転移数や肺の重量を測定した。さらに、作用機序を明らかにするために、B16-BL6細胞上のインテグリン発現についてフローサイトメトリー法と細胞接着試験で検討した。細胞接着抑制効果が細胞毒性に由来しないことを確認するため細胞毒性試験を行った。 【結果と考察】肺がん転移モデルを用いた検討で、カルノシン酸を摂取することにより、肺がん転移を抑制することを明らかにした。また、オープンフィールド試験において、肺がん転移を抑制したカルノシン酸投与群では、中心部への滞在時間が長い傾向にあり抗不安効果が示唆された。さらに、フローサイトメトリー法で解析した結果、カルノシン酸はα4インテグリンの発現を抑制することが分かった。 これらのことから、カルノシン酸によるインテグリン発現抑制を介した肺がん転移予防効果が示唆された。