講演情報

[3K-05]没食子酸を添加したパウンドケーキの抗酸化能の評価

〇森下 雄太1、青田 毬奈1、岡 宏羽1、長山 利香1、原田 彩菜1、綾部 園子1、村松 芳多子1 (1. 高崎健康福祉大)
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キーワード:

没食子酸、抗酸化能、桑の葉、フェノール酸

目的 没食子酸(GA)は様々な食材に存在するフェノール酸類であり,抗酸化能や抗がん作用などの機能性が報告されている.しかし,食品に利用されている食素材は,海外産のものが多く,日本産はほとんど利用されていない.本研究では,GAおよびフェノール酸類を多く含有する桑の葉や抹茶を添加したパウンドケーキを試作し,GA含量がパウンドケーキの抗酸化能に与える影響を検討した.
方法 食品添加物としてGAおよび没食子酸プロピル(GAP),食素材には桑の葉,抹茶を使用した.試料は無添加,GA,GAP,桑の葉粉末および抹茶をそれぞれ5〜25 g添加したケーキを調製した.試料を凍結乾燥後,80%エタノールを用いて抽出試料とし,抗酸化能(DPPHラジカル消去活性)と総ポリフェノール量(Folin-Ciocalteu法)の測定およびフェノール酸類の定量(HPLC法)を行った.
結果 抗酸化能は,無添加よりもGA添加ケーキで高値を示し,GAPは無添加よりも低値であった.桑の葉粉末と抹茶を添加したケーキは添加量に相関して増加した.ケーキ調製後の残存率は,GAとGAPはそれぞれ,27.8%と86.2%が残存しており,他のフェノール酸類も検出した.また桑の葉粉末や抹茶を添加したケーキでは,フェノール酸類が増加することを確認し,未同定成分を複数検出した.桑の葉や抹茶を添加はGAに限らず,フェノール酸類の供給源として活用できることが示唆された.