講演情報
[3L-08]小麦粉及び大麦粉天ぷら衣における経時的な油の移動の実態
〇谷口 明日香1、石川 風花1、野村 里奈1、小林 理恵1 (1. 東京家政大学)
キーワード:
天ぷら衣、ビジュアルアナライザーIRIS、ソックスレー抽出、経時変化
【目的】これまでに我々は、雑穀粉の新たな調理例提案を目指し、雑穀粉天ぷら衣の抗酸化能や品質、嗜好性及びもろさの経時的変化を検討した。その過程で天ぷら衣に吸収された油は揚げ加熱後に経時的に移動し、その挙動は穀物粉により異なる様子が見られた。そこで本研究では特に違いが顕著であった小麦粉と大麦粉に着目し、これらの天ぷら衣における油の経時的な移動の相違を明らかにした。
【方法】既報に準じてさつまいもを使用した小麦粉及び大麦粉天ぷら試料を調製した。室内で1分、30分及び24時間放置した時の油の移動を、ビジュアルアナライザーによる断面観察ならびに天ぷら試料を衣表面、衣内部、食材(さつまいも)に分けた吸油率測定から比較した。なお、観察試料の調製時には油の所在を捉えるためスダンIVで染色した油を用いた。
【結果】小麦粉試料では揚げ加熱後30分までに油が衣表面に移動し、その後食材に吸収される様子が観察された。この特徴的な挙動は吸油率測定でも見られ、30分経過時の衣表面の吸油率は衣内部及び食材よりも有意に高かった。一方、大麦粉試料では同様の挙動は見られず、経時的に衣表面の油が減少し食材へ移動する様子が観察された。吸油率の比較においても時間経過とともに衣表面の値は有意に減少したのに対し、食材では有意に上昇した。天ぷらを食べる形態は調理直後や惣菜等様々に異なるが、この特徴の違いは食べる場面に合わせた衣の選択につながると期待する。
【方法】既報に準じてさつまいもを使用した小麦粉及び大麦粉天ぷら試料を調製した。室内で1分、30分及び24時間放置した時の油の移動を、ビジュアルアナライザーによる断面観察ならびに天ぷら試料を衣表面、衣内部、食材(さつまいも)に分けた吸油率測定から比較した。なお、観察試料の調製時には油の所在を捉えるためスダンIVで染色した油を用いた。
【結果】小麦粉試料では揚げ加熱後30分までに油が衣表面に移動し、その後食材に吸収される様子が観察された。この特徴的な挙動は吸油率測定でも見られ、30分経過時の衣表面の吸油率は衣内部及び食材よりも有意に高かった。一方、大麦粉試料では同様の挙動は見られず、経時的に衣表面の油が減少し食材へ移動する様子が観察された。吸油率の比較においても時間経過とともに衣表面の値は有意に減少したのに対し、食材では有意に上昇した。天ぷらを食べる形態は調理直後や惣菜等様々に異なるが、この特徴の違いは食べる場面に合わせた衣の選択につながると期待する。