講演情報

[3N-1]学校内での食物アレルギー対応体制と中学校家庭科の調理実習に関する全国調査

〇佐藤 佐織1、増渕 哲子2 (1. 群馬大、2. 北海道教育大)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

食物アレルギー、ユニバーサルレシピ、中学校家庭科、調理実習、全国調査

目的 近年,食物アレルギー生徒が増加し,調理実習で対応に苦慮する教員も多い.2019年,札幌圏中学校家庭科担当教員対象の調査から,食物アレルギー対応を組織的に担う委員会のある中学校は3割に過ぎず,調理実習における食物アレルギー対応の共通メニューの教材化が進んでいないことが窺えた.本研究では,調査対象地域を全国に広げ,学校給食の有無や提供方法の異なる学校における食物アレルギー対応の充実度と家庭科担当教員へのサポート体制について明らかにする.
方法 2022年10~12月,全国47都道府県庁所在地中学校の家庭科担当教員を対象に,郵送及びインターネット回答方式による質問紙調査を実施した.質問紙配布数は2490,回答数は585,回収率は23.5%だった.
結果 (1)食物アレルギー対応委員会がある学校は30.1%であった.(2)調理実習で食物アレルギー生徒も食べることができる対応をしたことがある教員は74.8%で,そのうち「アレルギー原因食品完全除去共通メニューでの全員参加調理実習を実施した」は42.0%であった.(3)現在の教科書の調理実習例は食物アレルギーに十分対応していると回答した教員は3.6%で,食物アレルギーの有無に拘わらず全員が安心して美味しく食べることができる「ユニバーサルレシピ」の開発が必要だと回答した教員は75.4%であった. 本研究の一部は,JSPS科研費21K02483の助成を受けた.