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[P-006]糖および没食子酸添加タマリンドキシログルカンゲルの物性の検討

〇田中 彩1、新田 陽子1 (1. お茶の水女大)
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キーワード:

ゲル、キシログルカン、糖、大変形特性、レオロジー、没食子酸

目的 タマリンドキシログルカン(TSX)は,アルコールやポリフェノール,高濃度の糖の添加によりゲル化することが知られている.これらのゲルは既に商業利用されるなど応用面が先行しており,基礎的な物性は未だに不明な点が多い.そこで糖およびポリフェノールがTSXゲルの離水や破断特性などの物性に及ぼす影響を検討した.
方法 TSXを蒸留水に加え一晩攪拌,膨潤させ90℃まで加熱後,糖および没食子酸を添加し10分間攪拌,加熱した.直径20 mm,高さ20 mmの型に流し入れ4℃で冷却し,大変形試験(圧縮速度1 mm/s)と離水測定を行った.
結果 1.0 wt%TSX-50 wt%スクロースゲルではヤング率2000 Pa,破断歪0.85と高い粘弾性を示したが,同濃度条件のトレハロース添加TSXゲルでは,結晶の析出が確認された.これはトレハロースの溶解度が低いことによると考えられた.40 wt%のトレハロースのみTSXゲルではゲル化せず,没食子酸の添加によってゲル化し,結晶の析出を抑制できたが,離水や白濁が生じた.1.5 wt%TSX-40 wt%糖-0.3 wt%没食子酸ゲルにおいて,トレハロース,スクロース,エリスリトール,マルチトール,フルクトースを用いて糖の種類による破断特性を比較したところ,ヤング率はエリスリトールが6300 Paであるのに対して,他の糖では1500~1700 Pa程度とエリスリトールの特異的な性質が示唆された.