講演情報

[P-008]もちきび豆乳粥の調理特性

〇北村 友理奈1、勝山 美咲1、小﨑 智恵1、藤井 恵子1 (1. 日本女子大学)
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キーワード:

もちきび、豆乳、粥、高齢者、物性、官能評価

目的 高齢者用食品においては,高たんぱく,高エネルギー源となり,咀嚼・嚥下しやすい物性であること,さらに効率の良い調製,提供方法が求められている.そこで本研究では,米に比べ栄養価の高いもちきびに着目し,さらに水の代替として豆乳を用い,もちきびの固形量,豆乳比率を制御した粥を袋内で調製し,その物性について検討した.
方法 豆乳と水の混合比を変えてだしを加え,もちきびの割合を3,5,7分粥になるように97℃で35分間加熱して試料を調製した.得られた試料について,色度,動的粘弾性,テクスチャー特性を測定した.5分粥試料については官能評価を行い食味を評価した.
結果 もちきび豆乳粥は明るい黄色味を呈し,豆乳比率が高くなると,試料間の色の違いが小さくなった.もちきびの固形量,豆乳比率が高くなるほど動的粘弾性,付着性は増大する傾向を示した.5分粥では豆乳比が75%,7分粥では50%以下の比率にするとユニバーサルデザインフードの規格において「かまなくてよい」,それ以上の比率だと「舌でつぶせる」という区分にあてはまることがわかった.官能評価では,豆乳比率が高いほど,硬く付着性は高くなり,えぐみがないと評価され,豆乳比50%以上の粥はまとまりやすく,嚥下しやすい粥であることが示された.以上の結果から,高齢者用食品として提供しやすい高たんぱくかつ高エネルギー源となるもちきび豆乳粥を調製できることが示された.