講演情報

[P-028]流通を想定した米飯の品質挙動

〇奥西 智哉1、安藤 美紀子2、諏訪 憲久2 (1. 農研機構、2. 伊藤忠食糧)
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キーワード:

米飯、流通、理化学特性

【目的】近年、コンビニ業界を中心にチルド米飯が注目を集めている。低温で輸送することで賞味期限の延長を図り食品ロスの低減が期待できる。一方で、米飯は低温下で老化して硬くなるため、食事に供する際には電子レンジ等で再加熱する。これまで、米飯の品質については炊き立て直後品について知見が蓄積されてきた。チルド輸送後の再加熱品について知見が得られたので報告する。 【方法】精白米300gに1.4倍量の水を加え、マイコン式炊飯器(タイガー、JBU-A550)で炊飯米を得た。炊飯米の一部を25℃の恒温化で冷却した後、テンシプレッサーによる一粒低・高圧縮測定により各種米飯物性値を得た。同じ調製後の炊飯米約60gを60mmのディスク上に成形したものを5℃保存した。所定日数保管後、500Wの電子レンジで60秒加熱した試料についても物性値を得た。生米あるいは米飯粉末を調製し、RVAによる糊化粘度特性を得た。米飯80%エタノール抽出物から糖およびアミノ酸含量を求めた。 【結果】5℃保存した後でレンジ回復させた米飯と炊飯直後品で物性を比較した結果、品種あるいは産地によらず、主に米飯表層および全体の粘りが異なっていた。また、これら物性変化値と米飯粉末RVA測定値には強い相関が見られた。