講演情報
[P-031]高圧処理後の冷蔵中の黄色ブドウ球菌に対する炭酸水素ナトリウムの影響
〇筒浦 さとみ1、小林 千紗1、喜多川 優1、峯崎 重隆1、村田 容常2、西海 理之1 (1. 新潟大、2. 東農大)
キーワード:
高静水圧処理(高圧処理)、黄色ブドウ球菌、炭酸水素ナトリウム
【目的】高静水圧処理(高圧処理)時の炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)添加の有効性を明らかにするために、NaHCO3を液体培地に添加して高圧処理した際の黄色ブドウ球菌の殺菌及び保存中の増殖や死滅に与える影響を調べた。
【方法】0.1-0.7 M NaHCO3添加Brain Heart Infusion培地にStaphylococcus aureus NBRC 12732(約106 CFU/mL)を植菌した後、高圧処理(400 MPa, 10-30分間, 室温)を施して10℃で30日間静置保存し、菌数を測定した。また、pH 4-6に調整後にNaHCO3を添加した培地を2時間及び24時間室温放置後、先と同様に植菌後に高圧処理を施して保存し、菌数を測定した。
【結果】高圧処理直後の菌数は植菌時に比べてほとんど減少せず、NaHCO3には高圧処理の殺菌を強める効果はなかった。しかし、その後の冷蔵中に菌数は減少し、0.4-0.7 M NaHCO3添加培地では30日保存後の菌数がほぼ検出限界まで減少した。pH調整培地にNaHCO3添加した際もpH未調整の場合と同様の傾向となり、2時間放置したものに比べて24時間放置したもののほうが30日後の菌数減少は大きくなる傾向があった。これらの結果から、高圧処理後の保存を低温環境下で長期的に行うことにより、NaHCO3が保存中に菌を死滅させ、効果的に殺菌することが示された。
【方法】0.1-0.7 M NaHCO3添加Brain Heart Infusion培地にStaphylococcus aureus NBRC 12732(約106 CFU/mL)を植菌した後、高圧処理(400 MPa, 10-30分間, 室温)を施して10℃で30日間静置保存し、菌数を測定した。また、pH 4-6に調整後にNaHCO3を添加した培地を2時間及び24時間室温放置後、先と同様に植菌後に高圧処理を施して保存し、菌数を測定した。
【結果】高圧処理直後の菌数は植菌時に比べてほとんど減少せず、NaHCO3には高圧処理の殺菌を強める効果はなかった。しかし、その後の冷蔵中に菌数は減少し、0.4-0.7 M NaHCO3添加培地では30日保存後の菌数がほぼ検出限界まで減少した。pH調整培地にNaHCO3添加した際もpH未調整の場合と同様の傾向となり、2時間放置したものに比べて24時間放置したもののほうが30日後の菌数減少は大きくなる傾向があった。これらの結果から、高圧処理後の保存を低温環境下で長期的に行うことにより、NaHCO3が保存中に菌を死滅させ、効果的に殺菌することが示された。