講演情報

[P-036]魚臭・魚味低減に効果的な食品素材の検討

〇小泉 昌子1、峯木 眞知子1 (1. 東京家政大学)
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キーワード:

サバ、赤魚、魚臭、官能評価、におい識別装置

目的 魚類の調理では,鮮度低下や魚臭・魚味の抑制を考慮する必要がある.これまで保存や前処理に関する研究が行われ,香辛料や調味料の添加が効果的であると報告があるが,明らかではない.そこで本研究では,料理の調味に大きく影響しない香辛料や調味料を用いて,効果を検討する.これにより,様々な料理へ利用できる魚の前処理方法を提案する.
方法 試料は,サバおよび赤魚の冷凍フィレを,25℃下30分間水中で解凍した.各調味料を水に対して0.5~5.0%の濃度で溶解したものを浸漬液とし,蒸留水(W),みそ(M),赤酒(A),昆布粉末(K),ローリエ(L),卵殻粉(E),生卵の殻(R)を用いた.なお,浸漬無の試料(S)も用意した.試料は各浸漬液に5℃下1時間浸漬後,180℃のオーブンで12分間焼成した.測定は,試料の重量,浸漬液のpH・塩分・糖分濃度,焼成後試料のにおい識別装置による分析および官能評価を行った.
結果 サバは官能評価において,K・A試料が好まれた.におい識別装置による分析ではS試料に比べて,A試料は有機酸系・アルデヒド系・エステル系のガス系統で低い値を示し,K試料は臭気指数相当値が低く,においが弱く,魚臭抑制に効果的であった.一方赤魚では,いずれの浸漬液についても浸漬後液の方が各ガス系統の値が高くなっており,A液では顕著であった.このことからA試料は,浸漬液に魚臭が吸着しやすいことが示唆された.