講演情報

[P-041]製造方法が異なるα化玄米粉および大麦粉で調製したペーストの性質

〇山岸 あづみ1、桑原 美里1、田村 朝子1 (1. 新潟県立大)
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キーワード:

玄米、大麦、α化粉末、炊飯、加熱せん断・粉砕法

【目的】
 玄米や大麦は食物繊維含量が高く、機能性を有するが、食品への活用が進んでいない。本研究では、玄米や大麦の新たな使用法を見出すことを目的に、これらのα化粉末を用い、調理特性を検討した。なお、α化には炊飯後に凍結乾燥した方法(炊飯法)と無水下加熱・せん断粉砕法(せん断法)の2種を用いた。
【方法】
 実験には炊飯法またはせん断法でα化後粉末にした玄米、大麦(うるち麦、もち麦)を用い、対照としてα化粉末にした精白米を用い、以下の方法で調理特性を比較した。1)粉末の特性:粉末の水分量、吸水性、吸油性を測定した。2)水・油添加粉末ペーストの特性:水:油=1:0または1:1の溶媒を用いて、10%濃度のα化粉末ペーストを作成し、テクスチャー、粘度、分離率、色調を測定した。
【結果】
 1)粉末の特性:吸水量は同種試料間で、せん断法に比べ炊飯法が有意に高く、吸油量は 炊飯法では試料間で有意差はなかったが、せん断法ではうるち麦、もち麦が玄米と対照の精白米に比べ有意に低かった。2)ペーストの特性:水:油=1:1の炊飯法で作成した粉末ではペーストが形成されず、せん断法のみペーストが形成された。せん断法におけるペーストの粘度やかたさは、玄米と対照の精白米に比べ、うるち麦、もち麦が有意に低かった。一方、分離率は玄米と精白米が有意に低かった。以上より、せん断法α化大麦粉末は米粉に比べ吸油量が低く、やわらかいペーストが作成できた。