講演情報
[P-043]食品成分の局在を観察する手法の検討
〇芦田 祐子1、佐藤 亮太郎1 (1. 不二製油株式会社)
キーワード:
形態観察、光学顕微鏡、凍結切片、染色
目的 食品の成分の観察には様々な手法がある。一般的なパラフィン切片法は、前処理が煩雑で、脂質の流失の課題がある。一方、分光イメージング法では、処理の煩雑さはないが、専用の観察装置が必要な上、赤外顕微鏡は分解能が低く、Raman顕微鏡は植物由来原料を含む多くの食品で自家蛍光の課題がある。そこで、これらの課題を解決する観察手法の検討を行った。
方法 試料はコンパウンドで包埋し-100℃で急速凍結したのち、凍結ミクロトーム(CM3050,Leica)により10μmの凍結切片を作製した。切片は剥離防止用のスライドグラスに定着後、各種染色液で染色し、デジタルスコープ(VHX-2000,keyence)を用いて観察を行った。
結論 脂質の保持を重視し、溶剤処理を経ない凍結切片を試料として用いた。染色法を検討し、オイルレッドO-ヘマトキシリンの二重染色により、脂質-蛋白質の局在を観察できることがわかった。この方法で、油脂添加量の異なるパン、製法の異なるパイ、展延温度を変えたデニッシュの生地について観察した。結果、製法・条件等で成分の局在が異なり、このようなミクロ構造は、焼成後の膨化などのマクロ構造に影響することが示された。本手法では、模式図で示されることの多い食品中の成分の局在を、実際に汎用の顕微鏡下で可視化することができ、有効であった。なお、本手法は、豆類・乳製品(チーズ)への応用も可能であった。
方法 試料はコンパウンドで包埋し-100℃で急速凍結したのち、凍結ミクロトーム(CM3050,Leica)により10μmの凍結切片を作製した。切片は剥離防止用のスライドグラスに定着後、各種染色液で染色し、デジタルスコープ(VHX-2000,keyence)を用いて観察を行った。
結論 脂質の保持を重視し、溶剤処理を経ない凍結切片を試料として用いた。染色法を検討し、オイルレッドO-ヘマトキシリンの二重染色により、脂質-蛋白質の局在を観察できることがわかった。この方法で、油脂添加量の異なるパン、製法の異なるパイ、展延温度を変えたデニッシュの生地について観察した。結果、製法・条件等で成分の局在が異なり、このようなミクロ構造は、焼成後の膨化などのマクロ構造に影響することが示された。本手法では、模式図で示されることの多い食品中の成分の局在を、実際に汎用の顕微鏡下で可視化することができ、有効であった。なお、本手法は、豆類・乳製品(チーズ)への応用も可能であった。