講演情報

[P-045]製粉方法がソバ粉シューの膨化に及ぼす影響

〇橋詰 奈々世1、澁谷 瞳2、谷口 明日香2、小林 理恵2 (1. 宇都宮短大、2. 東京家政大)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

ソバ粉、製粉方法、シュー

目的 健康増進および自給率向上の観点から、小麦粉を他の穀類で代替えした食品の創出が求められている。これまで、主に小麦粉を用いるシューは、単一の遊離デンプンが多い穀物粉で代替えすると膨化状態が良いことを報告した。本研究では、凝結デンプンが多くシューが膨らみにくいソバ粉を用いて、製粉方法や篩い分けにより粒度を細かくすることで膨化状態を改善することが可能か追究した。
方法 一般的なソバの製粉方法であるロール製粉と、細かい粒度に粉砕可能とされる気流製粉のソバ粉を試料とし、レーザー回折法(乾式)により粒度分布を確認した。各ソバ粉を目開き100µmの篩で篩い分けた小粒径ソバ粉を用いて既報に準じてシューを調製した。この調製条件のうち焼成温度(200℃、210℃)を変えて比容積と空洞面積を比較した。さらに、製粉方法の異なる2種のソバ粉シューについて、比容積、空洞面積の他、均整比、重量減少率を測定し膨化状態を評価した。
結果および考察 小粒径ソバ粉シューの焼成温度は、比容積および空洞面積が有意に高くなった210℃とした。同一条件で篩い分けたものの、気流製粉ソバ粉シューは、ロール製粉に比べて重量減少率が高く、水蒸気の蒸散が多いことが示唆された。膨化状態も比容積、空洞面積ともに有意に大きく、均整比が高く縦方向に膨化した。以上より、気流製粉の小粒径ソバ粉はシューの膨化性を高めるために適した粉と考えられる。