講演情報

[P-057]幼児期における食育活動の効果と課題H幼稚園のぱくぱく弁当の取組を通した親の意識変化を中心に

海切 弘子1、〇今川 真治2 (1. 広島文化学園短大、2. 広島大)
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キーワード:

食育、幼児、弁当

【目的】子どもたちの心身の健やかな成長を目指し,将来の生活習慣病発症予防へとつながる食育活動を,家庭と幼稚園,研究機関が連携しながら進めていくことは重要である。H幼稚園ではこれまで,幼稚園と家庭とを繋ぐ食育の取組の一つとして,月に一度,園児が同じ献立(おかず1品)を食べる「ぱくぱく弁当の日」を実施してきた。その数年間の取組のアンケート結果から,「ぱくぱく弁当」の取組が家庭の食育活動にどのように影響しているかを検証し,より質の高い取組になるように改善していくことを目的とした。【方法】H幼稚園の保護者を対象に,2019から2021年度の「ぱくぱく弁当の日」実施前後に,弁当作りに関する意識と,弁当作りの実際及び食育に関する調査を行った。3年間を通して,延べ98名の保護者から回答を得た。【結果】「ぱくぱく弁当」の取組を通して重視するようになったこととして,旬の食材を使うこと,夕食のおかずの弁当への併用,調理方法の工夫があげられた。弁当作り全般として,食材の種類や旬の食材を取り入れることを重視する家庭が増えた。また特に調理方法については,子どもが苦手な食材でも,調理方法を変えることにより食べられるようになることを認識できた家庭がみられた。「ぱくぱく弁当」の取組後も作った献立として,子どもが喜び,比較的調理が簡単なものだけでなく,根菜類やキノコ類を使った献立など,栄養のバランスを考えるようになった家庭も多かった。